職場や人づきあいの中で、「なぜかいつも緊張している」と感じることはありませんか?
人前での発表はもちろん、ちょっとした雑談で発言するだけでも胸がドキドキしたり、お腹に力が入ってしまったり……。
「こんなに緊張しなければ、もっと楽に過ごせるのに」と、自分の繊細さにうんざりしてしまうこともあるかもしれません。しかし、その緊張は決してあなたの「弱さ」ではありません。
今日お届けするのは、緊張が生まれる心理的なメカニズムと、一人の成熟した大人として「緊張」を味方につけ、しなやかに振る舞うためのヒントです。
緊張が生まれる正体は「完璧主義な監視官」
緊張しやすい心理的な理由の代表は、「きちんとしなければならない」という完璧主義です。
実は、緊張しているとき、あなたの心の中には「自分を厳しく見張る監視官」が存在しています。
- 「変なことを言って、場の空気を壊してはいけない」
- 「準備した通りに、一文字も間違えずにやり遂げなきゃ」
- 「初対面の人には、完璧な第一印象を与えなければ」
こうして自分自身を常に監視し、「失敗したら許さないぞ」とプレッシャーをかけ続けているとしたら、心身が強張ってしまうのは当然のこと。あなたが弱いからではなく、それほどまでに「責任を果たそう」とする意欲が強いからこそ、強い緊張が生まれるのです。
監視官が生まれた「切ないルーツ」
なぜ、これほどまでに厳しい監視官を心に雇う必要があったのでしょうか。そのルーツを辿ると、幼少期の環境、特にお母さんとの関係が影響していることが少なくありません。
例えば、お母さんがとても教育熱心だったり、しつけに厳しかったりした場合。 「ちゃんとしなさい」「お行儀よくしなさい」「テストで良い点を取りなさい」・・・。そんなお母さんの期待に応えようと、あなたは一生懸命頑張ってきたのではないでしょうか。
子どもにとって、親に認められないことは「居場所を失うこと」にも等しい恐怖です。そのため、「お母さんに怒られないように、自分で自分を先回りして見張る」という防衛本能が育ったといえます。
かつてあなたを守るために必要だった「お母さんの代わりの監視官」が、大人になった今もなお、あなたの心の中で現役で働き続けているだけだとも言えるのです。そう思うと、今の緊張も、あなたが必死に生き抜いてきた「努力の証」に見えてきませんか。
緊張を卒業するための「視点」の切り替え
緊張のループから抜け出すには、自分に向けられた厳しい監視の目を、外側へと解放してあげる必要があります。
意識のベクトルを「180度」逆に向ける
自分で自分を監視しているとき、意識の矢印はすべて「自分」に向いています。
「私はどう見られている?」「うまく喋れている?」という、自分への過剰な意識に閉じ込められている状態です。
この意識の方向を、ぐるっと外側へ転換してみましょう。
例えば、大勢の前で話すとき。 おすすめは、「一番後ろの席に座っている人を、端から一人ずつゆっくり眺めてみる」ことです。オンラインでもやはり、端から一人ずつゆっくり眺めてみる、です。
「どんな人が座っているのかな?」「どんな表情で聞いてくれているんだろう?」と、相手に興味を持ってみる。あるいは、もっと具体的に「あの人のネクタイは何色だろう?」「あの人はどんな風にペンを動かしているだろう?」と、五感を使って外側の情報を拾いに行ってみてください。
意識の矢印を自分から相手へと向けた瞬間、あなたの心は「監視」というタスクから「観察」へと切り替わります。すると監視官は役割を失い、緊張の波が引いていくのを実感できるはずです。
これは一対一の会話でも同じです。 「自分がどう思われるか」ではなく、「目の前の相手が今、何を大切にしているか」に興味の焦点を移してみてください。
できない自分を「許可」する強さ
緊張しやすい自分を卒業する究極の秘訣は、「完璧にできない自分」を許すことです。
「きちんとしなきゃ」という思いは、裏を返せば「ダメな自分を絶対に許さない」という自分への攻撃でもあります。でも、よく考えてみてください。私たちが誰かに魅力を感じるのは、完璧な正論を吐く時でしょうか?それとも、少し照れたり、失敗して笑い合ったりするような「人間味」が見えた時でしょうか。
自分を許すことは、決して「甘え」ではありません。 むしろ、「未熟な部分があっても、私には価値がある」と堂々と認める、しなやかな強さです。
これまで、お母さんの期待や社会のルールに応えるために、ひとりで本当によく頑張ってきましたね。でも、もう自分を見張らなくても大丈夫。あなたは十分に素晴らしい存在です。
これからは、失敗した自分を叱るのではなく、「お疲れ様、一生懸命やったね」と、かつて欲しかった言葉を自分自身にかけてあげてほしいのです。
「正しい私」を卒業して、もっと自由に愛されるために
自分の心と一人で向き合い、長年の「監視官」を引退させるのは、時に勇気がいる作業です。自分を許そうとすればするほど、かつての「怖かったお母さん」の影がちらつくこともあるかもしれません。
もし一人では難しいと感じたときは、信頼できる人や、私たちカウンセラーを頼ってくださいね。
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