失言したかもしれないと後悔する心理的理由と対処法

人と会ったあとに、失言したかもしれないと後悔することがありませんか?

あるいはLINEを送ってすぐ、良くないことを言ってしまったと思ってメッセージを消去することが何度もありませんか?

失言の後悔には 大きくわけて2つあります。

ひとつは明らかに失言をしてしまい、周りの人から白い目で見られたり注意を受けるようなケース。

もうひとつは、「失言したかもしれない」「誰かを嫌な気分にさせたかもしれない」など、ひとりで思い悩むケース。

今日は後者、つまり失言「したかもしれない」と後悔する心理について解説します。

目次

失言したかもしれないと後悔する心理的理由

失言したかもしれないと後悔する代表的な心理的理由は、自分は人を不愉快にさせるという観念(思い込み)です。

自分は人を不愉快にさせる観念は、自分の価値を見下しているともいえますよね。他人はどうせ私の発言で不愉快になるでしょ、という他人への疑いでもあるでしょう。

「自分は人を不愉快にさせる」という観念があると、自分が発言した後に「また人を不愉快にさせてしまっていないかな」などと何度も発言内容を思い返したりすることが考えられます。
いわゆるひとり反省会といわれるものですね。

人の発言なんて、後から考えれば何かしらツッコミどころがあるものです。

「自分は人を不愉快にさせる」というフィルターを通して見てしまうと、なおさら「きっと失言だったに違いない」と感じてしまうといえます。

・自分は人を不愉快にさせるという観念を持った理由

自分は人を不愉快にさせるという観念を持った理由は様々あると思いますが、ここでは過去の経験にフォーカスしたいと思います。

私たちは自分が経験したことによって、自分の存在価値を認識しているといえます。

たとえば、幼少期にお母さんに話しかけると、迷惑そうな返事しかしてもらえなかったということがたびたびあったとします。

大好きなお母さんが迷惑そうな顔をするくらいなのだから、私はお母さんを不愉快にするんだな、と思ってしまうことがあるでしょう。

実際にはお母さんはただ忙しかった、あるいはお父さんと喧嘩ばかりしていた、などの理由で、気持ちに余裕がなかっただけだったかもしれないのに、です。

そして、その経験は、自分はお母さんにとって迷惑なだけではなく、他の人たちにとっても同様、つまり「私は、誰にとっても迷惑な存在だ」と思ってしまうと考えられるのです。

これは、心の投影というしくみによるものなのですね。
投影は、私たちの感情や経験、過去に出会った人などを、目に見える世界に映し出すことをいいます。

過去の経験を過去の経験としてだけで終わらせず、現在私たちが見ている世界に映し出し、きっとまたあのときと同じだろうと思ってしまうことがあるのです。

失言したかもしれない後悔を卒業するための対処法

誰かと会話した後、あるいはLINEのメッセージなどを送った後に、失言したかもしれない後悔を繰り返してしまうのを卒業したいとしたら、対処法として以下をおすすめします。

人と話をするときに、相手に興味をもつ

人と話をするとき、私たちは相手に興味を持っているようで、実は自分のことばかり考えている場合が多いようです。

私たちの心は、意識が人に向けられているときに気分が良く、自分に向けられているときに気分が悪くなってしまうと言われています。

意識が自分に向けられていると、

  • どうやったら嫌われないで済むかな、とか、
  • どうすれば褒めてもらえるかな、とか、
  • どうすればスゴイと思ってもらえるかな、
  • どうやったら私の気分が良くなるかな、などなど、

自分が気分よくなるきっかけを相手に求めてしまうため、相手の言動が気になって仕方なくなり、相手が思う通りにしてくれないと、自己嫌悪しやすいといえるでしょう。

この「自分に向けている意識」をぐるっと方向転換して相手に向けることが、相手に興味を持つということなのですね。

つまり、

  • どうやったら喜んでもらえるかな。
  • どこを褒めてあげようかな。
  • どんな才能があるんだろう
  • どうやったらこの人は気分が良くなるのかな、

などを思いながら、相手に興味を持ちながら人と接するとき、私たちは自己嫌悪しないし、気分もよくなると考えられています。

相手の良いところを伝える

相手に興味をもつことで相手のいいところなどがわかったら、それをその相手に伝えてみましょう。

相手の良いところを伝えることは「褒めること」です。

心は人に与えたものが自分に戻ってくると言われていますので、

お世辞でなく、できるだけ本心から褒めることができると、あなた自身の気分が良くなるでしょう。

自己嫌悪しなくなる秘訣は、愛探しの心

失言したかもしれない後悔を卒業し、自己嫌悪しなくなる秘訣は、愛探しの心を持つことです。

愛探しは粗探しの反対の意味といえます。
良いところ、素晴らしいところを探そうとする心です。

とはいえ、素晴らしいところに興味を持つというのは、意外と難しいんです。

私たちは普段からつい、物事の悪いところに目が行きやすいからなのですね。

しかし、何度も何度も愛探しの心を持とうとしていると、気づいてくださると思うのです。

粗探しより、愛探しをしているときに、良い気分だな、って。

そうやって、あなたが人を大切に愛そう愛そうとするほど、人づきあいは楽しくて、温かくて、心が喜ぶことなんだと感じられるようになるでしょう。また自分の粗探しが減っていくので、失言したかもしれないという思いも減少していくのではないでしょうか。

ご参考になりましたら幸いです。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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