人と会ったあとに、失言したかもしれないと後悔することがありませんか?
失言の後悔には 大きくわけて2つあります。
ひとつは明らかに失言をしてしまい、周りの人から白い目で見られたり注意を受けるようなケース。
もうひとつは、「失言したかもしれない」「誰かを嫌な気分にさせたかもしれない」など、ひとりで思い悩むケース。
今日は後者、つまり失言「したかもしれない」と後悔する心理について解説します。
失言したかもしれないと後悔する心理的理由

失言したかもしれないと後悔する代表的な心理的理由は、
「私は自覚しないで人を傷つけてしまうことがある」という怖れです。
私は人を傷つけるようなことを言ってしまうかも、という疑いでもあり、気づかないうちに人を傷つけてしまったらどうしよう、という不安や怖れでもあります。
人を傷つけてしまったら大変だと思うので、誰かと会話をしたあとに、相手を傷つけていないかと失言チェックをするのがクセになっているかもしれません。その日その人と自分が何を言ったのか、もう一度おさらいをして、綿密にチェックをするなんてことがあるんですよね。
人の発言なんて、後から考えれば何かしらツッコミどころがあるものです。
わ!あの言い方は良くなかったな。相手にどう思われたかな。嫌な気分にさせたんじゃないかな。
そんな会話を見つけると、「なんであんなことを言ったんだろう」と自分を責め、いまごろ相手が私のことを苦々しく思っているんじゃないか、あぁ、なんであんなことを言ってしまったんだ・・・という失言による自分責めのループに入ってしまい、それがものすごく苦しいんですよね。
「自覚しないで人を傷つけてしまうことがある」という怖れをもつようになった原因
自分は「自覚しないで人を傷つけてしまうことがある」という怖れをもつようになった原因としては、過去にそのような経験があったのかもしれません。
あなたはまったくそんな気はなかったのに、誰かに「あなたの言葉で傷ついた」と言われ、あなたは自分自身を責めたのかもしれません。
私たちの言葉は、文字通りの言葉の意味だけで会話をしているわけではないので、受け取り方によって印象が大きく異なることがありますよね。悪気なく言ったことで相手が傷ついたと知ってショックを受けることもあるでしょう。

私たちの心には「投影」といって、心の中の感情や経験、過去に出会った人などを、心の外の世界に映し出すというしくみがあります。
かつて自分が気軽に発した言葉で、人を傷つけてしまったという事実があまりにショックだと感じたとしたら、また同じことが起きるんじゃないかと思ってビクビクしてしまうことがあるのですね。
失言したかもしれないという思いに苦しまないために(対処法)
失言したかもしれないという後悔はとても苦しいものですから、できれば感じたくないものです。ここでまず大切なのは、会話のあとに「失言チェック」をして自分が人を傷つけていないか確認する行為は、あなたが人を大切にしたいという思いからきているということです。
失言したかもしれない、と思うと、「私はひどいやつだ」などと自分を悪人であるかのように感じることがあるかもしれないのですが、実は逆なんですよね。
悪人ならば、失言したって気にしませんから。
それほどあなたは、人のことを大切にしたいという思いのある、やさしい人だということ。それをまず心にとめておいてください。

失言しても許し合える関係をつくる
人を大切にしたくて、失言しないように自分の言葉に目を光らせていても、残念ながら失言はゼロにはできません。
人間に間違いはつきものだからです。
つまり、「失言しない私になる」ということに精を出すよりも、「失言しても許し合える関係になる」というほうが現実的かもしれません。
失言しない私になろうとすると、言葉えらびに神経質になって気持ちが縮こまってしまいますよね。完璧にできない自分を責めれば責めるほど、誰とも仲良くしないほうが安全だと感じ、人との距離をとって引きこもりがちになってしまったりします。
人は失言してしまうもの。失言したとしてもあの人はきっと許してくれるだろう。そしてあの人が失言したときは、笑って許せる自分になりたい。そんなふうに思えれば、失言するのが怖くなくなって、のびのびと会話ができるのではないでしょうか。

失言しても許し合える秘訣は「信頼」
失言しても許し合えるための秘訣は、相手との信頼関係にあります。
悪意なく言った言葉が、相手の受け取り方によっては失言ととられてしまいそうなことだったとしても、きっとあの人は私の言葉をネガティブには受け取らないはず。そんな信頼は、あなた自身が相手の言葉をネガティブに受け取らないことで手に入っていくでしょう。
本当に失言したときは、きっとあの人はやさしく指摘してくれるはず。そんな信頼は、あなた自身が相手の良くない振舞いに目くじらを立てず、やさしく教えてあげられることで手に入っていくでしょう。
わたしたちはいつでも、人にこんなふうに接してもらいたいという思いがあれば、それを自ら実行していくことで相手からの信頼を得られ、また相手への信頼を手に入れられるのですね。
ご参考になりましたら幸いです。