人と会った後にグッタリ疲れる心理的な理由とその対処法

あなたは人と会った後に、「あー楽しかった!」と無邪気に笑えますか?

それとも、「お疲れ様でした!」と元気に挨拶をして、くるっと背中を向けた途端に、「はーっ疲れた!もうグッタリだ」と思うでしょうか?

今日は、人と会った後にグッタリ疲れる心理的な理由と、その対処法をご紹介します。

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1.人と会った後にグッタリ疲れる心理的な理由

人と会った後にグッタリ疲れる代表的な理由を心理の面からいうと、「自分は愛されないのではないか(嫌われるのではないか)という怖れ」といえます。

愛されないのではないか、嫌われるのではないか、という怖れとは、「愛される(好かれる)ためには、こうすべき」という思い込みがあると考えられるのですね。

「こうすべき」の通りに振る舞わないと、人は自分のことをきっと嫌うだろうという、他者への疑いでもあるでしょう。

・「愛されるためには、こうすべき」という思い込みとは

「愛されるためには、こうすべき」という思い込みとは、あなたが経験によって学習したことといえるでしょう。
私たちは、大切な人とうまくいかないときに、どうやったら喜んでもらえるか、愛してもらえるかと、試行錯誤するのではないでしょうか。
たとえば幼少期に、お母さんに叱られてばかりだったとしたら、どうすればお母さんは自分に笑顔を向けてくれるんだろうなどと思ったかもしれません。
そしてあるとき、お母さんがあなたに「宿題をしなさい」と言ったとします。いつものあなたなら「え〜っゲームしたい!」などとごねていたのに、その日はなぜか「うん、わかった」と素直に従ったところ、お母さんに「いい子ね」と褒められた、などという経験をしたとします。
すると、「そうか、お母さんに愛されるには、お母さんの言うとおりにして、いい子になればいいんだ」
と学習したかもしれません。

・かつての学習を、他者にも適用する「投影」

私たちは、かつて学習したことを、そのときの相手(上の例でいえばお母さん)とのやり取りだけで終わりにせず、その後に出会う人たちにも適用する心のしくみをもっています。このしくみは「投影」と呼ばれているんですね。
たとえばお母さんに愛されるためには、お母さんの言うとおりにして、いい子にならなければならないと学習したとすると、別の誰かに愛されるにも、同じようにしなければならないと思い込んでしまったりするのです。
彼氏・彼女に愛されるためにも、職場で周囲の人たちとうまくやるためにも、いい子にならなければならないと思ってしまうことがあるのですね。
経験や学習の元となるのは親との関係だけではありません。過去にお付き合いした彼氏・彼女との間で学習したことによってなども、その後に出会う人たちに対して、「愛されるには〜〜しなければならない」などと思ってしまうことがあるのです。

・自分はちゃんと「いい子」ができていますか、という思い

人に愛されるために、こうすべき(例として、いい子でいなければならない)という思いがあると、うまくやっていきたい誰かと一緒にいるときには、いい子になろう、という思いとともに
「自分はちゃんといい子ができていますか?」と心配になることがあります。
すると、人と会っている間じゅう、「私の発言はいい子の発言ですか?」「私の態度は大丈夫?」「私の顔の表情は?」などと、自分が「いい子」の言動をし、愛されるのに相応しいかを始終気にしてしまうでしょう。
みんなで楽しくおしゃべりをしているような場であったとしても、実は心の中では、自分が人にどう見られているのか、人目を気にして気が休まらないといえるでしょう。
これがまさに、人と会った後にグッタリ疲れる原因と言えるのですね。
2. 人と会った後にグッタリ疲れるときの対処法

人と会った後にグッタリ疲れるあなたが、人目を気にするのを減らしていきたいとしたら、以下の対処法をやってみることをおすすめします。

①人にどう思われるかを気にしている自分に気づく

まずは、人にどう思われるかを気にしている自分に気づくことです。
私たちは、人の目を気にしているときに、「いま自分は人の目を気にしているな」と、意識することはあまりないのですね。
しかし、自分がやっていることを意識できるようになると、次の段階へ進むための大きな一歩になるでしょう。

②人目を気にするのを一旦やめる

次は、人目を気にするのを一旦やめることです。
私たちは、自分が人目を気にしていることを意識することができると、それをやめたいかどうか、その場で自分に尋ねることができるのです。
すぐにやめられるかどうかはともかく、まずは一旦やめようと「思ってみる」といいでしょう。

③相手のいいところを見つける

人の目を気にすることを一旦やめようと思えたら、次は、一緒にいる相手のいいところを見つけてみようとするのがおすすめです。
人目を気にしているときの私たちの意識は、「自分がどう見られているのか」というように「自分」に向いているといえるのですね。
自分で自分を監視しているように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
その「自分に向いている意識」を、方向転換させて「相手に向ける」ことが、人目を気にしなくなるためにはとても大切なことだと言えるんです。
なぜなら人目が気になっているということは、すなわち意識が自分に向いていることだからなのですね。
意識をただ方向転換させようと思っても難しいのですが、相手のいいところを見つけようとすると、私たちの意識は勝手に相手に向くといえるのです。
これらの対処法 ①、②、③は、反復練習がおすすめです。
3. 人と会う時間を心から楽しむ秘訣は、人の良さに意識を向けることです
人と会う時間を心から楽しむ秘訣は、人の良さに意識を向けることです。
「この人のこういうところがいいよね」「この人、おもしろくて大好き」などと思ったり、それを相手に伝えたりして過ごした時間は、その後ひとりになってからも、
グッタリ疲れるのではなくて、気分がスッキリ軽く感じられるかもしれません。

・他人にやっていることは、自分に戻ってくると言われます

私たちは、他人に良い評価をくだすとき、自分に良い評価をくだしているかのような気分の良さを感じやすいといわれています。
これも「投影」のひとつなのですが、自分が他人にやったことが、鏡に映してそのまま自分に戻ってくるかのように感じると言われているのですね。
とはいえ、人の良さに意識を向けようとしても、「相手の悪いところばかりが目につく」「人の良さがわからない」ということもあると思うんですね。
そのようなときは、心の持ち方、気の持ち方に一度向き合ってみるといいでしょう。
するともしかしたら
「いい子になろう、きちんとしよう、などと自分に厳しくやってきたけれど、本当は、人に優しい自分になりたいと思ってきたんだよな」とか、
「心の中には優しい自分がいることをずっと知ってた。でもどうすれば、そんな自分で人と接することができるのか、わからなかったのかもしれないな」などと思うかもしれません。
心の持ち方に向き合うと、心の奥に隠し持ってきた、繊細で温かな自分に出会えたりすることもあるのですね。
私のカウンセリングでは、そのように心に向き合うためのサポートもしております。

・これからの人づきあいをイメージしてみる

良かったら、少しイメージしてみませんか?
あなたが一緒にいる人たちの良さに意識を向けながら過ごすことができるようになると、
あなたはどんな笑顔で周りの人たちを見ているでしょうか。
そんなあなたが、人々とあたたかな優しい気持ちを伝え合える関係性を作れるようになったとしたら、あなたにとって「人と会う」ことは、どんな色、どんな雰囲気に感じられるでしょうか。
そんなことをイメージしながら、あなたの望む人づきあいを手に入れていってくださいね。

ご参考になりましたら幸いです。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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