友人関係を断捨離したら友だちが誰もいなくなる?そんな不安を感じる心理的理由とその対策

みなさんは、友人関係を断捨離したら友だちが誰もいなくなるかもしれない、と思ったことはありませんか?
長らくつきあってきた友人でも、断捨離したら楽なんじゃないかと感じる一方で、
それはできないような、やってはいけないような。
今日は、そんなふうに「友人関係を断捨離したら、友だちが誰もいなくなる不安」を感じる理由と対策を、心理的に解説します。
目次
友人関係を断捨離したら、友だちが誰もいなくなるかもしれない、と感じる心理的な理由
なぜ友人関係はいつも好きではない人との間でしか作れないのか?
なぜ好きではない人たちに好意を示すのが得意なのか?
好きではない人たちに嫌われても痛手が少ないと感じるのに、誘いを断れないし、意見も言えない理由は?
なぜ、自分が好きだと思う人は自分の好意を喜んでくれないだろうと、感じるのか ?
好きな人は自分の好意を喜んでくれないだろうと感じると、何が起きるのか?

好きではない人たちばかりの友人関係から、卒業するための対処法

誘われたときに、自分の気持ちを聞いてみる
断りたいときは思いやりを持って断る
自分から誘ってみる

好きな人との友人関係を築く秘訣は、自分の好き嫌いを大切にする意識を持つこと

melissa-askew-a1n1yPxHoIM-unsplash (1)

友人関係を断捨離したら、友だちが誰もいなくなるかもしれない、と感じる心理的な理由
友人関係を断捨離したら友だちが誰もいなくなる不安を感じる代表的な心理的理由は、
「今の友人たちがいなくなったら、自分は誰からも必要とされなくなるんじゃないか」という怖れです。
これは、好きではない人との間でしか友人関係が作れない自分に対する失望でもあり、
自分が好きだと思う人は自分のことなど好きになってくれないだろうという、他者への疑いでもあります。
・なぜ友人関係はいつも好きではない人との間でしか作れないのか?
友人関係がいつも好きではない人との間でしか作れない原因としてあげられるのは、
「あなたが好きではない人たちに好意を示すのが得意だから」かつ、そういった人たちからの「お誘いを断れないし、意見も言えない」からといえます。
たとえば、好きではない人から一緒にランチに行こうと誘われても、どんなときにも断らなかったり、
おしゃべりがつまらなくても笑ってあげたり、話を合わせてあげたりするかも。
すると相手は、あなたから好かれていると感じるでしょう。
人は好意を向けられたと感じると、好意を返そうとしますから(これを好意の返報性といいます)
そんなに楽しそうにてくれるなら、またあなたのことを誘おうと思うものです。
そうやってその人との人間関係は続いていくでしょう。
・なぜ好きではない人たちに好意を示すのが得意なのか?
好きではない人たちに好意を示すのが得意である理由のひとつは、好きではない人たちにたとえ嫌われたとしても、痛手が少ないと感じるからといえます。
私たちは、自分が好意を示すときに、相手が自分の好意を喜んで受け入れてくれるのか、迷惑そうにするのかなどの反応を気にするものです。
誰でも相手が喜んでくれればうれしいものですが、迷惑そうな顔をされたとき、その相手が自分の好きな人であるほど、とても悲しく傷ついてしまうかもしれません。
そんな悲しい気分になるくらいであるなら、好きな人には近づかず、たいして好きではない人たちと一緒にいることのほうが、安心していられると感じてしまうことがあるのです。
・好きではない人たちに嫌われても痛手が少ないと感じるのに、誘いを断れないし、意見も言えない理由は?
好きではない人たちに嫌われても痛手が少ないと感じるのに、その人たちの誘いさえ断れない理由は、自分が誘った相手に断られると傷つくからといえます。
同様に、人の意見と異なる自分の意見が言えないのは、人に反対意見を言われると、自分が傷ついてしまうからといえます。
私たちは、自分がやられると傷つくことは、きっと他の人も同じように傷つくだろうと感じてしまうことがあるのです。
人に断られると傷ついてしまう人ほど、人の誘いを断れなくなってしまいますし、
自分に意見されると傷ついてしまう人ほど、人に意見が言えなくなってしまうことがあるのです。
・なぜ、自分が好きだと思う人は自分の好意を喜んでくれないだろうと、感じるのか ?
自分が好きだと思う人が、自分の好意を喜んでくれないだろうと感じる理由は様々ですが、かつてあなたが経験によって学習したことによるといえます。
たとえば幼少期に、とても大切な人に自分なりのやさしさや好意を向けたけれど、まったく喜んでもらえなかったとか、かえって不機嫌そうな態度を取られた、などという悲しい経験が何度もあったとします。
すると、「自分は好きな人に受け入れられないんだ」「好意を示したところで嫌がられてしまうんだ」などと思い込んでしまうことがあるのです。
過去の人と、現在目の前にいる人は別人なのですが、私たちの心はかつて経験によって学習したことを現在の状況に当てはめ、きっとまた同じことが起きるだろうと無意識に感じ取ってしまうのです。
・好きな人は自分の好意を喜んでくれないだろうと感じると、何が起きるのか?
好きな人は自分の好意を喜んでくれないだろうと感じると、私たちはもう二度と傷つかないように、好きだと感じる人と距離を取ろうとするのですね。
友人関係を断捨離できたとしても、好きな人と近づけないのだとしたら、その結果は、周りに誰もいないひとりぼっちの状態が待っているだけ、と感じてしまうのではないでしょうか。これがまさに、「友人関係を断捨離したら友だちが誰もいなくなる不安」であり、「自分は誰からも必要とされなくなるんじゃないかという怖れ」であると言えます。
ひとりぼっちになることはとても寂しいことで、そんなふうにはなりたくないと感じると、好きではない人たちとの関係も断捨離しようと思えないのです。
好きではない人たちばかりの友人関係から、卒業するための対処法
もしあなたが、好きな人に囲まれた楽しく温かな友人関係を持ちたいと思われるなら、次のことを試していただくと良いでしょう。
・誘われたときに、自分の気持ちを聞いてみる
友人などからのお誘いに返事をするときは、「せっかく誘ってくれたから、断るのは申し訳ない」などとすべて受け入れるのではなく、「自分はどうしたいのか?」と自分の気持ちをまず聞いてみることです。
本当にそうしたい
どちらでもいいけど、そうしてもいい
あまり気が乗らないけど、そうしてもいい
本当はそうしたくない
などなど、まずは自分はどう感じているのか、興味をもってみましょう。
・断りたいときは思いやりを持って断る
相手の誘いに「あまり気が乗らない」「本当はそうしたくない」などと感じるならば、思いやりの心をもって正直に断りましょう。
相手を責めたり落としたりしないで、誠実な気持ちで断るならば、相手も気を悪くすることは少ないでしょう。
断るときには、誘ってくれたことへの感謝を添えることも忘れずに。
感謝は相手が誘ってくれた気持ちをありがたく思うことですが、同時に、誘ってくれた相手を大切に思っていることを伝えることでもあります。
「その誘い」は断ったとしても、「あなたを拒否しているわけではない」という思いを伝えることで、誘いを断りやすくなり、断った自分のことを自分で責めてしまうことも減っていくでしょう。
・自分から誘ってみる
人から誘いを受けるばかりでなく、自分から自分の好きなこと、興味のあることに人を誘ってみましょう。
誘う相手は、これまで付き合いのある人でもない人でも、誘ってみたい人、誘いやすい人から。
誰を?何に?いつ?など、人を誘おうとすると悩むことが多いかもしれません。実は、この「悩むこと」が大切なんですね。
自分から誘おうとして悩んだ分だけ、誘ってくれる人の苦労や悩ましい思いなどが感じられますし、誘ってくれるということは、それだけ自分に温かな思いが寄せられたということだと、感じ取れるようになるでしょう。
好きな人との友人関係を築く秘訣は、自分の好き嫌いを大切にする意識を持つこと
好きな人と友人関係を築く秘訣は、自分の好き嫌いを大切にする意識を持つことです。
ただ、過去に自分の好き嫌いを表現することで傷ついた経験があると、
「好きな人に好きだと表現するのが怖い」「相手に誘ってもらわないと不安」と感じてしまうものです。
そんなときは「自分の心」や「自分自身」に向き合い、見つめ直していくことがおすすめです。
例えば、過去の経験を見つめ直すことで、
「私は傷つくことを避けるために、人と距離を取ったり人の言葉に従ってばかりだったけれど、そんな自分の中にも、自分から相手の良さを見つけたり伝えたりしたいという、温かな気持ちがあるんだよな」
なんてふうに思えることがあるとしたならば、自分の好き嫌いを大切にし、表現することに対する抵抗感も減ってくると思いませんか?

皆さんがそんなふうにして心と向き合うプロセスを、私はカウンセリングの中で提供することもあるんですね。
あなたが「この人と仲良くなりたい」「この人が好き」という自分自身の思いに耳を傾け、それに従って行動できるようになること。
そんな自分になれたら、どんな友人関係ができると思いますか?
あなたにとって笑顔でいられる友人関係や、自分の好き嫌いを上手に表現できる自分をイメージしながら、ぜひ自分自身と向き合って、好きな人たちとの友人関係を手に入れていただければと思います。
何かのご参考になりましたら幸いです。

面談カウンセリング

ご予約は、カウンセリング予約センター(06-6190-5131)までお電話ください。
「帆南(ほなみ)の面談を受けたい」と言っていただくと話がスムーズです。

・提供しているカウンセリングは、こちら。

・最新の面談カウンセリングスケジュールは、こちら。

・帆南尚美のプロフィールは、こちら。

カウンセリング予約センター
TEL: 06-6190-5131
営業時間:12:00~20:30
月曜定休(祝日は翌日代休)、他
休業日詳細はこちら

この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

目次