余裕のなさと、冷たい態度

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昨日は午前中にやるべきことがお昼までかかってしまい、気づいたら13時。

お腹すいたな~と思ったのだけど、しばらく連絡をしていなかった母に電話をしようと決めていたので、

昼食前に10分ほど話そうとLINEのビデオ通話をかけました。

元気?暑いね~と挨拶程度のつもりが、なぜか上機嫌な母は、
いつも以上にペラペラペラペラ話してくれます。

私もうんうんと聞いていたのですが、突然ビデオ通話の画面が止まり、「お友だちの回線に問題があります」のようなメッセージが表示されました。

オンライン通話に回線の不具合はつきものではあるので、「一旦切ってからかけ直すね」と言って、私はまたかけ直しました。

ところが今度はビデオ画面だけではなく音声もとぎれとぎれ。
そしてまた「お友だちの回線に問題があります」的なメッセージ。

ここで相手がいわゆる「お友だち」とか、オンライン通話に慣れている人であれば、今日は回線がいまいちだからまた今度ね~と言って切ることもできたのですが、

母は来月87歳になるおばあさんで、ようやく最近LINEのビデオ通話のやり方を理解してくれたような人なので、私が「いま回線に問題があるみたいだね」と言うと、「なに?どういうこと?」と聞いてきます。

私は面倒くさいなと思いながらも、今使っているビデオ通話はインターネットの回線を使っていてね、と回線不調の説明をし始めました。

すると母は私の話を聞かずに、今度はケラケラと笑い始めました。
母が見ているビデオ通話画面に映っている私の顔が、回線不調のためおかしな表情で固まってしまったようで、それにウケているようなのです。

私は、回線の問題について、面倒と思いながらも母の質問に丁寧に答えようとしているというのに、それを聞きもしないでケラケラ笑っている母にイラっとし、いつまでも不調が改善しないネット回線にイラっとし、画面上で変顔のまま固まった私の顔を見てケラケラ笑っている母にイラっとしました。

イライラがいっぱいになって、もう無理。
そう思ったとき、母が「一度切って、しばらくしてからかけ直しましょうか」と雑音まじりの回線の向こうで言いました。
私は母の言葉が終わるか終わらないかのうちに上からかぶせるように
「今日はもういい。またにしよう。」と言い捨てました。

すると母はまた雑音まじりのとぎれとぎれの回線の向こうで、少し残念そうな声にかわり、「またにするの?わかったわ、今日はありがとう。楽しかった。」と言いました。

私は、それを聞くとすぐに、「うん、じゃね」と短く言って通話をブチっと切りました。

通話を切ると私は、はぁ、、、、と長いため息をし、独り言をいいました。
「おなかすいた・・・」
そう、五郎さんのように。(←孤独のグルメの)

私の空腹は限界に来ていたんです。
私は大急ぎで簡単な昼食を作って食べ、ようやく一息つくと、さっきの母との通話を思いました。

なんであんなに冷たい態度を取っちゃったんだろう。
かけ直そうと言った母は、きっとまだしゃべり足りなかっただろうに、
私はそれを知りつつも、ピシッと母を拒絶して、母にイライラの八つ当たりをしたのです。
お腹がいっぱいになるにつれ、軽い罪悪感がやってきました。

そして思ったんです。
これが「余裕がないときは人にやさしくなれない」ってやつだな、と。

よく、お子さんにやさしくできないとか、職場で人に丁寧な対応ができないとか、私って本当にだめだな、、なんておっしゃる方がいらっしゃいますが、たいていそういう方のお話を伺っていると、余裕がないんですよね。

気持ち的に余裕がないときもあれば、時間に追われているとか、金銭的に非常にきびしいとか、余裕のなさも色々ですが、
自分に余裕がないときに人にやさしくできるわけがないのです。
なのに、そんな自分を責めていらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。

余裕がないときは人にやさしくなれない。それは誰でもそうなのだから、あなたが特別悪いのではないのです。
だからそんなときに、どうやったらやさしくなれるんだろう、どうやったらもっと心が広くなれるんだろうということよりも、
その余裕のなさは、どこからやってきたんだろう、ということを一度考えてみるといいのかもしれません。

そして、空腹による余裕のなさであれば、何かを食べればいいだけなのですが、
心に余裕がないときは、色んな理由で自分を追い詰めて、自分を崖っぷちに追いやってしまうような
思い込みや誤解があることも多いようなのです。

たとえば婚活をしている人が、40歳までに結婚しなければもう終わりだ、のようなことをおっしゃるのをお聞きすることがよくあるのですが、
もし本当に40歳までに結婚しなければ終わりだとしたら、39歳くらいで婚活している人は超ギリギリで焦りますよね。
出産のタイムリミットを考えてしまうということもあるでしょうが、とはいえ、結婚は何歳までにしなければ、というのは、色んな思い込みや誤解が含まれていることもあり、またそれをきちんと整理せずに一人で抱え込んでいると、どうしようもなくイライラやカリカリした気分になってしまうこともあったりします。

つまり余裕がないときは、誰かに話を聞いてもらったり、ノートに書き出したり、色んな方法で余裕のなさを軽減してあげるようなお手当をしてあげることで、
あなた本来の優しさや、あたたかさ、明るさ、楽しさなどを、取り戻すことにつながるのかもしれません。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
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・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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