あの人すてきだな、と思うことはいいことなのですが、
あの人はすてき、でも私はダメ。と思うことは、あまり気分のいいものではありませんよね。
あの人はセンスがあるけど、私ときたら。。。。
あの人はお肌がつるつるだけど、私は・・・。
あの人は自由になるお金があるけど、私は・・・。
こういうことってキリがないのですが、つい私たちは人と比べて自分は劣っていると思いがちですし、ひとつ劣っているだけで、自分のすべてがダメかのように思ってしまうこともあるのではないでしょうか。
お肌つるつるで思い出したのですが、私は二十歳くらいから顔のニキビがひどくて悩んでいました。
まわりのみんなは二十歳といえば、お化粧の仕方にも慣れてきて、どんどんきれいになっていくように思いました。
お化粧はきれいになるためにするもの。みんな楽しそうにファンデーションやアイシャドーなど、旬のアイテムを買いそろえて楽しんでいたようでした。
一方私は、お化粧とはニキビを隠すためのもの。
人気のファンデーションなどには縁がなく、ニキビ肌をいかにきれいにみせられるのかということだけを必死に考えていました。
私はお化粧を楽しめる人たちを、女性として上であると思い、私はその域に達することは絶対にないだろうとあきらめていました。
ニキビ肌の私は、女として地に落ちていると信じていたのでした。
人をうらやましいと思うとき、私たちは、自分のイケてないところと、他人のすばらしいところを比較しています。
本当は自分にもすばらしいところがあるにも関わらず、そこには全く興味を持たないのです。
ニキビ肌をしたハタチ過ぎの私は、当時付き合っていた彼に言いました。
「わたし、こんな肌をしているから、ごめんね。」
もちろん「そんなことないよ」と言ってほしい気持ちでしたが、そんなことない、はずがない、とも思っていました。
とりあえず、こんな私で申し訳ないという気持ちがあったので、謝りたかったのかもしれません。
すると、その彼は言いました。「え?ニキビ? それはまったくどうでもいいんだけど?」
私は驚いて目がまんまるになりました。
私が人生のすべてをかけて悩んでいることに対して、この人は「どうでもいい」と言うんだ。