【対人ラク化計画】その4~心とつながった言葉を話す

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対人ラク化計画のすすめ

もっと楽しくみんなと話せたらいいのに。
でも人が苦手。言葉が出てこない。
ずっとそう思っていた私でしたが、心理学を通して人といることがラクで楽しくなりました。

ひとり時間だけでなく、人といる時間も楽しめると、毎日の喜びが倍増するかもしれません。

人づきあいは苦手だ。
そう思っていたあの頃、私は人前で発言するときはいつも、何を言うのが正解だろうかと考えていました。
私が言いたいことを言おうとするのではなく、正しいことを言おうとしていたのです。

正しさの基準は、たいていの場合、親でした。
私の言いたいことは、親の価値観に沿っているのかを無意識にチェックし、きっと大丈夫だと思えば発言しました。
それは何か大事なことを決めるときもそうでした。
彼氏と付き合うかを決めるときも、もちろん相手を好きではあるけれど、この人と付き合って親が納得するのかを考え、大丈夫そうだと思えば付き合うし、反対されそうだと思えば、親が言いそうな反対理由を自分に言い聞かせて付き合わない選択をするか、親に隠れてこっそり付き合う罪悪感まみれの付き合いになりました。
頭の中で親の価値観を必ず一度チェックするということは、あまりに自然に、当たり前のようにやっていたので、なんの疑問にも思いませんでした。
とはいえ、いつも親に見張られているようで、私は自由じゃないという不満もありました。
よく人に、「あなたは何を考えているのか、分からない。」と言われることがあったけれど、そんなの私も分からないわ、と思っていました。私の気持ちをしゃべったことが、ほとんどなかったからです。自分の気持ちなんて、誰も聞きたくないだろうし、人に伝える価値もない気がしていました。
私の口は、親が遠くから操縦する通りに動いている口パク人間のような気もして、この発言は私がしなくてもいいんじゃないかな、つまり私はここに居てもいなくても一緒だなと思っていました。

心理学で補償行為というものを学んだ時のこと。
補償行為とは、心から相手のためにやりたいという愛からの行為ではなく、本当はやりたいわけではないけれど、相手が喜ぶだろうからという理由で、言ったりやったりすることを言います。
私は急に恥ずかしくなったのです。私は(母に対してだけでなく、誰に対しても)何を言うにしても、何をするにしても、母が喜んでくれそうなことを選んでいたので、私は補償行為のかたまりだ・・・と思ったのでした。
自分がやってきたことに、そのような名前がついていたとは驚きました。
そして、補償行為というのは、行動するときの動機が愛ではなく怖れであると言われています。
愛にもとづいて行動すると、私たちは気分が良くなるのですが、怖れにもとづいて行動すると、まったく気分が良くならないのです。
私は思いました。
即刻、補償行為をやめなければ!と。
でもですね、四六時中やってきたことをやめるのは、非常に大変なんですよね。
気を抜くと、すぐに「これは何と言うのが正解だろう?母なら何と言うかな。」なんていうことを、自動的に考えてしまうのです。
そして、自分が何を考えているのかを大切にしない、ということがクセになっているので、本当に何を言いたいのかわからず、頭がカラッポな感じがしていました。
自分の気持ちなんて、誰も聞きたくないだろうし、人に伝える価値もない気がしていたけれど、自分の思いを大切にしていなかったのは、私だったのです。
私が、私自身を粗末に扱っていたことに、ようやく気付いたのでした。

そんなわけで、私は自分を大切に扱おう、補償行為をやめよう、言いたいことを言おう、と思い、自分の言葉が正しいかどうかではなくて、自分の心とつながっているかを気にしながら発言するようにしたのです。
そのとき私がイメージしていたのは、みなさん社会科の教科書かなにかで一度は見たことがあるかもしれない「空也上人像」なんです。開いた口から小さな阿弥陀立像が六体現れ出る、あれです。thumbnail_nigaoe_kuuya_syounin

空也上人が「南無阿弥陀仏」の名号を唱えると、その声が阿弥陀如来の姿に変じたとする伝承を立体化したものとのことですが、、

私の言葉はそんなに有難いものではありませんが、、、笑
でも私の口から出る言葉が、ミニサイズの私が口から出るように、私の心を表すようにしたかったんですよね。。(分かりづらい例えでスミマセン・・・)
人づきあいが苦しいとか、何をしゃべったらいいのか分からないというとき、私たちは自分の心とつながっていないときがあるかもしれません。
つながっていないから、心の言葉が出てこないのです。
誰かに喜んでほしいという気持ちは、もちろん悪いことではなくて、人を大切に思っている優しさでもあるはずです。
しかし、そのために自分の心をないがしろにすると、自分の価値がさっぱり分からないような、空中分解しているような感覚になったりもするようです。ひとつひとつ丁寧に自分の心の声を話すようにして、ようやく気付いたことがあるのです。
それは、私が自分の心を大切にすると、他人のことも大切にしたいと思うということなのです。
私が自分の心に耳を澄ますのと同じように、他人の心にも耳を澄まそうとしているのです。

私はずっと、他人は私の言葉に興味がないだろうと思っていました。
でも今なら分かるんです。
あなたと話したいと思っている人は、あなたの心の声を聞きたいはずなのです。
あなたの価値観、物のとらえ方、あなたの喜び、あなたの悲しみ、どんなことであっても、あなたを知って愛したいのだと私は思うのです。
それが、人と人が仲良くなるとか、親密になる、ということなんじゃないかな、と思います。
なので、もし人とうまくしゃべれない、何を言ったらいいか分からないということがあったら、ちゃんとご自分の心の声を聞いてあげてください。
あなたは今、何を思って、何を感じていますか?
あなたがご自分を丁寧に扱ってあげると、他人もまた、あなたを丁寧に扱ってくれるように感じるかもしれません。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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