自分のやりたいことは話さない(心理解説編)

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カウンセリングサービスの帆南尚美です。
前回からの続きです。
あなたは何が好きなの?とか、
何がやりたいの?
あるいは、あなたはどう思っているの?という質問が、
なんだか居心地悪く感じたり、時には、意見の無い自分が責められているように思うこともあるでしょう。
あるいは、自分ひとりなら行きたいところはあるし、決断力もあるのだけれど、誰かと一緒だと何も決められない、ということがあるかもしれません。
私はいつも人に気を使って、どこへ行くにも、何をするにも、相手の意向を優先してきました。
そうなるのにはキッカケがありました。
子どもの頃は自由気ままに自分の好きなことは好き、嫌いなことは嫌いと言っていたと思うのですが、あるとき話をしていた相手が嫌そうな顔をしたとか、私のワガママで相手に辛い思いをさせていたんじゃないかと気づいたとき、
私ってなんて自分勝手で、人のことを考えずにいたんだろう、恥ずかしいな、と思いました。
もうやめよう、もう二度と自分のワガママで人を振り回すことはしないぞ、と誓いました。
それ以来、私は自分より目の前の相手を優先し、自分はできるだけ気配をなくすように努めました。
相手が喜んでくれることをやろう。
私のことは別にいい。自分ひとりのときに楽しめばいいから。
xxちゃんは居酒屋に行きたいと言っているけど、私はラーメンを食べたいな。と思ったとしたら、私はラーメンを食べたい自分の気持ちをぎゅうぎゅうに抑え込んで、なかったことのようにしました。
そんなことを続けているうちに、私は何かをやりたいという思いが浮かんで来そうになったら、それを意識する前に、やりたい気持ちを消し去ることができるようになりました。
おかげで、何の不自由もなく、目の前の人のやりたいことにいつも同意することが簡単にできるようになりました。
ところが、です。
自分の気持ちを抑え込むことが癖になると、いざ「何が食べたい?」と聞かれても、何も頭に浮かばなくなりました。
頭に浮かばないように訓練したので、あたりまえです。
前回のブログで書いたように、A子が私に何が食べたい?と聞いてくれたとき、私はこんなことを思いました。
今までA子を含めみんなのために自分のやりたいことを我慢してきたのに、今さら私に何がしたいかなんて聞かないでよ!
私は何も頭に浮かばないんだから!
なんだかおかしいですね。
私は長年ひとの気持ちばかり思いやっているつもりで、忘れていたことがあったようです。
それは、「ともに楽しむ」ということです。
子ども時代にワガママだったときは、他の人のことを考えず、自分だけ楽しんでいたかもしれません。
その後ワガママをやめて、人のやりたいことだけを聞いてあげることにしたのは、相手だけ楽しんでくれればいいや、という思いでした。
でも、私のやりたいこと、誰かのやりたいこと、それを調整しながら、融合しながら、誰かひとりが楽しむのではなくて、そこにいるみんながお互いに楽しむ時間を選択する、という考えがあってもよいのです。
A子の一件以来、私は封印していた「私の希望を人に伝える」ということに挑戦することにしました。
あらためて「私って何がやりたいんだっけ?」と自分の心に問い、なかなか答えが出てこなくて苦戦することはあります。
でもあえてそれをやって、人に伝えるという作業は、自分の心が何かに反応して「好き」「嫌い」と思うことを許すこと、そして尊重することであり、自分そのものを大切にすることです。
自分のことなんてどうでもいいや、など、自分を大切にしないことが板についている人こそ、ひとに希望を伝え、ともに楽しむという道があることを、あらためて思い出してほしいなと思っています。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
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