ありがとうが言えないとき

カウンセリングサービスの帆南尚美です。
ブログにお越し下さり、どうもありがとうございます。
私ごとですが、私の母は今84歳のおばあさんなのですが、ご近所さんからよくご相談ごとを伺うそうなんですね。
うまく行っていないご夫婦の相談とか、お姑さんとの問題とか、ご近所さんとのトラブルとか。
そんなときに私の母は、「ありがとうを伝えなさい」というのが、どうやら口癖のようなんです。
先日も母と電話していたときにそんな話になって、「ありがとうさえ言っていれば、なんでもうまく行くのにねぇ」と、それでもありがとうを言えない人が沢山いるのが残念と言っていました。
きっと母は長い人生の中で、感謝を伝えることによってたくさんの奇跡のようなものを味わってきたのかな、などと思いました。
ひるがえって、私自身のことなのですが、今は仲良くしている夫ですが、何年もほとんど口をきかなかったことがありました。
それはもう、不平や不満が山ほどあって、「ありがとう」どころの話ではなく、
彼のやることなすこと全てが気に入らなかったのでした。
そうなるに至ったのには理由があったわけで、
私たち夫婦が不妊治療をしていたときに、彼が治療に興味ある態度を示してくれなかったように思えて、
私は自分ひとりで不妊と戦っているように感じ、寂しくて辛くてしんどくて、たまらなかったのでした。
夫は何もわかってくれない、と。
しかしそんな理由など頭からすっぽ抜けていて、とにかくいつも夫に対して頭にきていました。
なぜこんな人と結婚したんだろうと、自分の過去を呪ったり。
誕生日に買ってきてくれたケーキが冷蔵庫に入っていたのを見つけたときでも、頭に血がのぼりました。
「ケーキをポンっと冷蔵庫に入れておくなんて、なんて私のことを雑に扱うのだ!」と思い、苛立ちました。(おそらく、心の底では、「お誕生日おめでとう」と言ってニコッとハグされたかったのかもしれません。)
夫も、そんなにいつも怒っている私に、どう対応したらいいものか分からなかったのだろうなぁと、今は思います。
そして、そんな状態のときに、「ダンナさんに有難うと伝えなさいよ」と言われても、たぶんもっと怒るか、聞く耳を持たなかっただろうと思います。
おそらく、ありがとうと言ったらいいことくらい、本人が一番良く分かっているんですよね。
でも、言えないんです。
なぜなら、ありがとうなんて、相手を思いやる言葉みたいじゃないですか。
相手をどうこうする前に、自分がズタボロになっていて、大切に扱ってもらわなければどうしようもないと思っているわけなんです。
だからそんなときは、なかなかありがとうなんて言えません。せいぜい「私は今ありがとうと言えないんだな」と思うことができれば上等だと私は思っています。
「そりゃあ、ありがとうと言った方がいいでしょうよ、でも言えないんだから、仕方ない、今はどうしても言えないんだ」って。
あとは、そのボロボロになっている自分を、まずは大切に大切に扱ってあげれば、いつかもう少し余裕が出てきたときに、あの時言えなかったありがとうを言ってみようかな、と思えるときが来るのだと私は信じています。
私もあれからだいぶ経って、夫に「あの時はありがとうね〜」なんて、何度でも言えるようになりました。
だから今、自分はありがとうも言えずにダメだな、なんて、思わなくて大丈夫ですよ。
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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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