こんにちは。カウンセリングサービスの帆南尚美です。
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パートナーがいても寂しい
結婚したいと思っているけど今はひとり、という人の中には、「結婚することになりました。」という報告を友人などから受けると、「いいなぁ。」と思うかもしれません。
ところが結婚している人が皆、結婚していることを喜ばしいことだと思っているかというと、そうではないようです。
中には結婚しているけど寂しい、いや、パートナーが目の前にいると、ひとりの時より余計に寂しいという声を聞くこともあるのです。
「パートナーがいても寂しい」とは
結婚することは、人生の伴侶を得ることだと言われることがあります。伴侶というのは、「一緒にする人」と言えるでしょうか。
何を一緒にするかは、カップルによって異なります。
同じ家に住む、一緒に食事をする、寝る、風呂に入る、仕事をする、趣味、ぼーっとする、などなど。
ひとりでするより、誰かと一緒のほうが、心強いし寂しくないだろうと思うこともあるでしょう。その誰かが好きな人であれば、楽しくていいなぁと思うかもしれません。
恋愛初期のロマンス期と言われる頃、私たちは好きな人と一緒にいられると幸せだと感じますが、それは単に一緒にいるから幸せなのではありません。お互いの感情を分かち合うことで親密感を感じられるから幸せなのではないでしょうか。
楽しいと感じたときに、楽しいね、と言い、
美味しいと感じたときに、美味しいね、と言うことなど、ロマンス期には当然のようにやっていたかもしれません。
ところがお付き合いも長くなり、結婚して仕事や子育て、近所づきあいに親戚づきあいと忙しく過ごしていると、同じ家に住み、一緒にごはんを食べ、たいていのことを一緒にしていたとしても、寂しいなと感じることがあるかもしれません。こういうとき、いつのまにか会話自体がなくなっているかもしれませんし、会話はあっても事務連絡や報告などだけになっているかもしれません。つまり、お互いの感情を分かち合うことを忘れているのかもしれないのです。
結婚していてもパートナーがいても寂しいのは、そこに親密感を感じても良さそうな人がいるにも関わらず、心が通じ合えていないから寂しいのかもしれません。
心が通じ合うためには、感情の分かち合いが大切ではないでしょうか。
感情を分かち合う
感情を分かち合うというのは、楽しい・美味しい、というようなポジティブな感情に終始するものではありません。
寂しいとか悲しいとか、辛いとか苦しいとか、ネガティブな感情は誰にも言ってはいけないと思っていないでしょうか。そんなことを口に出しても相手が困るだけだと思って我慢していないでしょうか。一生懸命に感じないようにし、別のものに興味を持つことで忘れようとしていないでしょうか。もう無理と思っても涙を流さないように必死に堪えていないでしょうか。
ネガティブな感情を抑えていると、あるとき怒りとなって爆発し、パートナーに怒りをぶつけてしまうことになるかもしれません。
怒りをぶつけることは、感情の分かち合いとは言えず、こんなに気分が悪いからあなたが私を理解するよう心を入れ替えなさいと言っているようなものかもしれません。
あるいはネガティブな感情を抑えていると、パートナーから引きこもり、全く心の通じ合えない関係になってしまうかもしれません。
相手が聞く態度をしてくれないから無理だ、とあきらめたり、相手のせいにしたくなることもあるかもしれませんが、自分の寂しさを癒すために行動できるのは、自分だと言えるのかもしれません。
分かち合いの難しさ
感情を分かち合うというのは、それまで分かち合うことをしてこなかった人にとっては、とても勇気がいることです。まず相手に自分の気持ちを伝えてもいいのだと自分に許可を出す必要があるからです。そもそも許可を出していなかったことに気づき、勇気を出して許可をすることになるでしょう。
そして、感情を分かち合ってこなかった人にとっては、自分がどのような感情を感じているのかを自分が理解してこなかったことにも気づくかもしれません。
相手に理解してもらうために、自分をまず理解しようとすると、私はこんなことを感じていたのかと驚くとともに、そうだったんだねと自分に寄り添うことで、あまりの安堵を感じて涙する人もいるくらいです。それほどひとりで頑張ってきたと言えるのかもしれません。
さらに、相手が分かってくれるように、伝え方を工夫することも難しいと思うことがあるでしょう。思いついた言葉をただ口にするだけでは伝わらないかもしれませんが、あなたの一生懸命さは、必ず相手に伝わるはずです。
試行錯誤のうえ、二人が少しずつでもお互いの感情を分かち合えるようになったときに、ようやくその人に「分かってもらえた」という感じがし、その人を「分かってあげられた」と思い、二人の関係から「寂しさ」が少しずつ消えていくのかもしれません。