あなたは、お付き合いしている相手に自分の弱点や欠点を隠さなければと感じることがありませんか?
好きな人には自分の良いところを見せたいと思うものですが、良いところ「だけ」を見せなければと思って、弱点を隠そうとすると恋愛はうまくいきません。
今日は弱点や欠点を隠そうとする恋愛がうまくいかない理由を、心理学の観点からご紹介します。
恋愛で弱点や欠点を隠そうとする心理的理由
恋愛で弱点や欠点を隠そうとする心理的な理由として代表的なのは「こんな私は愛されるはずがない」というものです。
「いいところを見せている限りパートナーとの良好な関係が築けるはず」という思い込みと、弱点や欠点が相手にバレたらきっとあの人は私を見捨てるだろうという疑いでもあるでしょう。
私たちが人を好きになるとき、「この人の笑顔がすてきだな」などと、その人の良いところに惹かれ「あの人のここがいやだ」と良くないところを見て嫌いになることが多いからともいえます。

弱点や欠点とは自分で自分を嫌っている部分
自分の弱点や欠点とは、自分で自分を嫌っている部分といえます。
ある人は顔や体型などの容姿かもしれないし、学歴や仕事かもしれません。家族のことかもしれませんし、貯金の残高がほとんどないことかもしれません。
またある人は、いじわるなことを考える自分や、一般常識のないと思う自分かもしれません。
怒りやすい自分や、泣き虫の自分ということもありますよね。
私たちの心には投影というしくみがあって、自分の心の中の感情や経験、過去に出会った人などを、無意識のうちに心の外に映し出すと言われています。
この投影により、私たちが「自分で自分を嫌っているところ(自分の欠点)」は、他人もまた嫌うだろうと思ってしまうのです。

弱点や欠点を隠すと恋愛がうまくいかない理由
弱点や欠点を隠すと恋愛がうまくいかない理由として、
親密感を得にくいことと、
相手を愛しづらいこと、
相手の愛を受け取れないこと
などが考えられます。
弱点や欠点を隠していると親密感を得にくい
弱点や欠点を隠すということは、ダメな自分がバレないようパートナーとの間に見えない壁を心の中に作るようなものです。壁を挟んだ相手とは親密さを感じにくいですから、物理的には隣にパートナーがいたとしても、仲良くなれない気がして寂しい、と感じることもあるのではないでしょうか。

弱点や欠点を隠していると愛しづらい
パートナーに弱点や欠点を隠しているということは、そのパートナーのことを
「私の欠点を愛せるほど器の大きい人ではないだろう」
「欠点がバレたらこの人は私を嫌うだろう」
などと思い、疑いの目を向け続けることだといえます。
私たちは、疑いながら相手を愛することはできないのではないでしょうか。
愛したいのにうまく愛せないジレンマを感じることもあるかもしれません。
弱点や欠点を隠していると愛を受け取れない
弱点や欠点を隠していると、たとえ相手の方があなたを愛してくれていたとしても、
「この人は私の良いところしか知らないから愛してくれているのだ」
などと感じるので、素直に好意を受け取れないことがあるのですね。
また、私たちは(上で述べた投影というしくみにより)自分がやっていることは、他人も同じことをしているだろうと感じますので、自分が隠し事をしているように相手も何かを隠しているのではないかと、相手の愛を疑ってしまうかもしれません。

弱点や欠点を隠す恋愛を卒業するための対処法
弱点や欠点を隠す恋愛から卒業をしたいと思われても、いきなり自分の欠点をパートナーに話すのがハードルが高いと思われるなら、対処法としてまずは、信頼できるお友だちなどに話して受け止めてもらうといいかもしれません。
実は、自分で欠点だと思っていることは、他人からみるとまったく欠点だなどと思わないことが多いようです。
しかも、あなたが欠点だと思い悩んでいたことを打ち明けられた人は、そんなことで悩んでいたの?そんなことを欠点だと思っていたの?と、驚いたり、あなたのことをいじらしく、かわいらしく感じたりするようです。
それでもやっぱり自分の欠点は人に嫌われるのではないかと不安に思われるなら、
こんな欠点があると知られたら、あなたに嫌われるんじゃないかと思って、今まで言えずにいた
などと伝えてみてはいかがでしょうか。
このような素直さが、あなたと、あなたの欠点を打ち明けられた人との心の距離をグッと縮めるのではないかと思いますよ。

本当の自分を愛してもらう秘訣は、相手への信頼です
良いところも、それほど良いと思えないところも、どちらもある本当の自分を愛してもらう秘訣は、相手への信頼です。あなたのパートナーが、あなたの欠点を愛してくれる器のある人だという信頼です。
人は、信頼してもらうと嬉しくて、信頼してくれた人を好きになったり、もっと信頼してもらおうとするのではないでしょうか。
自分から相手に信頼を向けるのは勇気がいりますが、それを乗り越えた先に、ふたりのもっと親密で、もっと温かな関係が待っているのだと思いますよ。
勇気が出しづらいときは、応援してくれる人に支えてもらってくださいね。
ご参考になりましたら幸いです。
(完)
