二股をかけてしまう恋愛の心理を解説します

本命の彼がいるのに、その彼以外にも別の彼がいて、二股をかけてしまうということがありませんか?

浮気はいけないことだと思って浮気相手とお別れしても、またすぐに別の浮気相手とのお付き合いが始まってしまうので、いつも同時進行している、なんてこともあるかもしれません。

今日は、二股をかけてしまう理由と、二股になる恋愛を卒業して誠実な恋愛ができるようになるための対処法を、心理の側面から考えます。

目次

1. 二股をかけてしまう心理的な理由〜ペルソナ

本命の彼がいるのに二股をかけてしまう理由には、「本当の自分は愛されないだろう」という心理が隠れている場合があります。

これはペルソナの心理と言われていて、

私たちは、飾らない本当の自分では愛されないと思うと、心の中で「愛される自分」の仮面をかぶって、よそ行きの自分を演出することがあります。

・仮面をかぶるのは、誰もがやっていること

仮面をかぶるのは、誰もがやっていることです。

たとえば、休日は朝からずっとノーメイクにパジャマでダラダラしているあなただとしても、仕事に行くときは、フルメイクでピシッとスーツを着て、デキる自分を演出したりしますよね。

同じように、本当の自分はわがままなんだけど、彼の前では聞き分けの良い、いい子でいたり、

本当の自分はすごくおしゃべりなんだけど、彼の前ではおしとやかに、おとなしい女性を演じることもあるかもしれません。

本当の自分では愛されないだろうと思うと、私たちは愛されるための仮面をかぶるのです。

それは意識的にやる場合もあれば、無意識のうちにやってしまう場合もあるんですね。

・本当の自分がバレるのは、仮面がいらなくなるとき

お付き合いをする彼に、ノーメイクにパジャマでゴロゴロする自分がバレるのは、時間の問題と感じるかもしれませんが、実は自分が「もう仮面は必要ない」と思えたときなんですね

彼との仲が深まるに従い、こんな私でもきっと彼は愛してくれる、と思えるようになるので、自分を隠す仮面が必要なくなると言えるのです。

・自分を嫌うほど、仮面を手放せない

彼との仲が深まったとしても手放せない仮面があるとしたら、その仮面が隠しているのは、あなたが自分自身でとても嫌っているあなたかもしれません。

あるいは、意識上はそれほど嫌っていないかもしれませんが、かつて大切な誰かに愛してもらえなかったあなたかもしれません。

たとえば、本当は自由奔放で情熱的。好きなことにすぐに「あれやりたい」「これやりたい」とチャレンジしてみるあなただとしましょう。

でも子どもの頃、お母さんにそんなあなたは「わがままな子ね。」と叱られてばかりだったとします。

すると、自由奔放で情熱的な自分は、わがままで悪い子なんだとあなたは思ってしまい、そんな自分はきっと誰も愛してくれないだろうと感じたかもしれません。自由奔放・情熱的な自分は絶対に人前に出してはいけないと、固く心に誓ってしまったかもしれません。

すると、パジャマの自分は見せられたとしても、自由奔放で情熱的な自分は見せてはいけないと思うので、彼とのお付き合いの中で仮面をかぶり続け、自由奔放とは逆の、たとえば冷静で分別のある自分で居続けてしまうことがあるのです。

・仮面の下の自分は、外に出たがっている?

自分が嫌っている自分、愛されないだろうと思っている自分を仮面の下に隠しても、そんな自分は消えてなくなることはありません

それどころか、仮面をかぶせられることで表に出てこられないことが息苦しいかのように、表に出るチャンスを今か今かとうかがっているかもしれないのですね。

それは、人に見せられないと思っているダメな私のことも、どうか愛してくれませんか、という魂の叫びのようであるかもしれません。

とはいえ、彼にそんな自分を見せたら嫌われてしまうかもしれないと感じるあなたは、仮面をはずそうとはしないでしょうから、仮面を外したいあなたと、仮面をかぶり続けたいあなたが、無意識のレベルでの攻防戦を繰り広げていると言えるかもしれません。

もちろん意識の上では、まったく気づかないうちに。

・仮面の下の自分を愛してくれる人との出会い

仮面の下の自分が、どうか愛してくれませんか、と叫んでいるかのようなときに、突然出会いは訪れることがあるのですね。

この人なら、今まで誰にも見せられなかった私を見せられる気がする、それだけでなく、そんな私を愛してくれる気がする。

本命の彼との間には何の問題もないし、引き続き仲良しだったとしても、本命の彼には見せたことのない自分を愛してくれる人と出会ってしまったときに、どちらの彼も大切で別れがたいと感じることがあるために、二股の恋愛が始まってしまうと言えるでしょう。

・どちらが本当?〜仮面をかぶっている私と、かぶっていない私

仮面をかぶっている私と、かぶっていない私、どちらが本当の自分かというと、実はどちらも本当の自分といえるのです。

仮面をかぶっていても、いなくても、あなたはあなただからです。

ただ、たとえば自由奔放な自分はダメだと思っていい子の仮面をかぶると、自由奔放な自分を嫌うことになり、そんな悪い自分はこっそり浮気をするのが妥当だと感じるかもしれません。

一方で、仮面をかぶっていい子のフリをしている自分を嘘つきだと感じることもあり、そんな自分は悪い人間だと思うと、やはり自分を嫌ってしまうので、

仮面をかぶると自己嫌悪が強まるばかりと言えるでしょう。

・二股の恋愛が続いてしまう理由

二股の恋愛は、それを良くないものだと思っていたとしても、また、たとえ相手が別の人に変わったとしても、同時進行の恋愛が続いてしまうことがあります。

その理由を自尊感情の側面から説明させてください。

自尊感情には、「基本的自尊感情」と「社会的自尊感情」があると言われていて、基本的自尊感情とは、自分の良いところも悪いところも、そのままに受け入れて、自分という存在を尊重する感情のことを言います。社会的自尊感情とは、他者に認められることで育つ自信のようなものと言えます。

その基本的自尊感情がうまく育まれていないと、自分に悪いところがあったとしても、それを自分で「そんな自分もいい」と受け入れられなかったりするのですね。

すると人は、自分では受け入れられないところは、誰かに受け入れ愛してもらいたいと感じることがあるでしょう。

しかし、本命の彼には見せていない部分ですから、本命の彼は私の悪い部分を愛してはくれないだろうと思っているのです。

そのため、本命とは別の誰かが必要になってくると考えられるのですね。

自分で自分を愛せる部分は本命の彼に、自分では愛せない部分を別の人に愛してもらおうとする限り、第二の彼の存在は必要不可欠だと感じ、二股の恋愛が続いてしまうといえるのでしょう。

・なぜ本命の彼に「良い自分/悪い自分」の両方ともを愛してもらおうとしないのか?

本命の彼に良い自分/悪い自分の両方ともを愛してもらおうとしない理由として考えられるのは、本命の彼は良い自分しか愛してくれないだろうという疑いがあるからと言えます。

悪い(と思っている)自分を見せたら本命の彼は引くだろう、嫌うだろう、と感じるので、それならば別の人に愛してもらおうとするのですね。

しかしそれは別の見方をすれば、本命の彼を「包容力のない器の小さい男だ」と言っているようなものでもあり、

反対に、自分も本命の彼の良いところは愛せるけれど、別の面が見えてきたとしたら愛せないかもしれないと、言っているようなものかもしれません。

つまり、ひとりの人をまるっと愛せる恋愛なんて無理だ、とあきらめてしまっているとも言えるでしょうか。

2. 二股の恋愛を卒業するための対処法

二股の恋愛をそろそろ卒業して、一対一の誠実な恋愛をしたいと思われるならば、対処法として以下のことを試してみることをお勧めします。

・本命の彼には見せられない自分がいることを、受け入れる

まずは、本命の彼には見せられないけど、もうひとりの彼には見せられる自分がいるんだな、そんな側面があるんだな、ということを、受け入れることです。

ここではそれが良いとか悪いとかいうことではなく、自分はそうなんだなと、ただ現状を受け入れてみることが大切なんですね。

なぜなら、良い悪いの評価をしなければ、隠す必要もないし、責める必要もないのですが、それでも今は悪いと思ってるんだねと認めてみると、どこか気分が安心して、自分に向き合いやすくなるからなのですね。

・本命の彼に見せられない自分について、誰かに話してみる

本命の彼には見せられないけど、もうひとりの彼には見せられる自分がいるんだなと受け入れられるようになったら、

次は、そんな自分について信頼できるお友達などに話してみるといいでしょう。

たとえば本命の彼に自由奔放で情熱的な自分を見せられないとしたら、そんな自由奔放で情熱的な自分がいることを、誰かに話して聞いてもらうといいんですね。

これまで絶対に見せてはいけないなどと思ってきたことを人に話せるようになるということは、すでにその時点で、「悪い自分」を少し許せるようになっていると捉えることもできます。

勇気を出して話してみたら、「そんなふうに感じていたんだね」と笑顔で寄り添ってくれる人もいるかもしれないし、

「あなたって、もともと自由奔放に見えるんですけど」なんて、これまで必死に隠してきたはずが、みんなには自由奔放に見えていた、なんてこともあるみたいです。

ここでは、自己嫌悪して隠してきた面を人は嫌わないのだと気づけることが重要なんですね。

なぜなら、周りの人が嫌わないのだとしたら、あの本命の彼も、自分を嫌わないのではないかと思えるでしょうから。

3. 誠実な恋愛を手に入れる秘訣は、「自分への許し」です

二股の恋愛をやめて誠実な恋愛を手に入れる秘訣は、「自分への許し」です。

自分を嫌わずに、どんな自分も隠さずに自分自身で受け入れていくことです。

とはいえ、そうは言っても、嫌いな自分がいることさえ、考えたくないという場合もあるでしょうし、

二股の恋愛をやめるのが怖いと感じることもあるかもしれません。

心が何かを感じるとき、そう感じるには理由があるはずなんです。なので、まずはあなたの心に向き合ってみるのがいいでしょう。

そうすることで、もしかしたらこれまで、「優等生や良い子になるために、ギュウギュウに我慢をしてきたけど、それも自分が誰かを喜ばせたいという思いから来ていたのかもしれないな」とか、

「自分は人の優れたところだけでなく、色んな面を愛したいと思ってきたんだな」なんてことに気づくかもしれませんよね。

私のカウンセリングでは、そのように心に向き合うサポートもやっていますので、ひとりで難しいときには、ぜひご利用ください。

自分自身を隠さずに愛してもらい、相手のどんな面も愛しいと思える恋愛ができるとしたら、あなたの恋愛はどう変化すると思いますか?

あなたの溢れるような愛情を、ひとりの人に注げるとしたら、あなたは彼にどんな表情で、なんと言ってあげたいですか?

そんなふうに、情熱的な思いをお互いに伝え合える素敵な恋愛を、ぜひ手に入れてくださいね。

ご参考になりましたら幸いです。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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