会議の席で意見を聞かれても「〇〇さんと同じです」としか言わないとしたら、会議の場そのものがつまらなく感じるかもしれません。
今日は意見が言えない理由と、その対処法となるヒントを3つ見てまいりましょう。
その1。正しいことを言えるか不安
意見を言うということは、自分が思っていることを人に伝えることです。
当たり前だと思うかもしれませんが、「あなたの意見は?」と聞かれると、何と答えるのが正解だろうかと考えることはありませんか?
意見に正解も不正解もないのですが、上司などの権威ある人などは正解を知っているはずだと思っていると、正しいことを言えずに怒られることや評価が下がることを怖れてしまうことがあるでしょう。
しかし意見を聞かれたということは、一般的には相手はあなたの考えを知りたいということです。あなたが正解を口にするかどうかを確認したいのではないはずです。
そう言われても、自分の意見なんて思い浮かばないと思うことがあるかもしれません。
いつも正しいことを言わなければと思っていると、正解を探すことに労を費やし、自分が何を考えているのかということに無頓着になることがあります。
好きなの?嫌いなの?と言われても、なんでもいいといつも言いたくなる状態と言えるかもしれません。
人は誰でも、「こうしたい」「こうだったらいいな」という思いを持っているはずなのですが、それを無いものとして生活していると、いざ意見を聞かれても自分がどうしたいのか分からないという事態が起きかねません。
普段から何が好きで何が嫌いなのかなど自分の心の声に真摯に耳を傾けるようにしておくと、いざというときに意見がスムーズに出てきやすいかもしれません。
まずは今日のランチから。コンビニ弁当を選ぶにしても、「なんでもいいや」と思わずに、「これが食べたい」という気持ちを大切にしてみてはいかがでしょうか。
その2。反対意見を言うと嫌われそう
会議では誰かの提案に対する意見を求められることもあります。多くの人が「それでいいと思います」のように賛成しているとき、あなたが問題点を指摘し反対意見を言うのは勇気がいることでしょう。
そんなことを言ったら提案した人に失礼だとか、嫌われてしまう、あるいはその場にいる人たちの和を乱してしまう、などと思うかもしれません。
たとえば週末のバーベキューに何を買い出しするかを話し合っているとしましょう。そして定番の肉や野菜しか意見が出なかったとします。それで決まりかけたときに、アウトドアに詳しい誰かが、「マシュマロも持っていきませんか、炭火で焼くとおいしいですよ。」と意見を出したら、肉や野菜以外にアイデアが広がり、より良いバーベキューを考える機会を提供したことになるかもしれません。
また「肉は〇〇スーパーで買おう。」とみんなが話していたけれど、あなたが「肉なら△△ショップが安くておいしいですよ。」と言えば、よりよい情報を教えてくれたことに、みんなが喜ぶかもしれません。
反対意見は、意見を出した誰かにノーをつきつけることではありません。ましてや相手の人間性を否定することでもありません。より良いアイデアを伝えるだけなのだと意識すると、「あなたの意見は違うと思います。」などという言い方ではなく「こういう考え方もあるのではないでしょうか。」など相手が否定されたと感じさせない工夫もできるようになり、より発言しやすくなるのではないでしょうか。
その3。意見を言うタイミングが分からない
意見があるし言いたいのだけれど、あとで言おう、みんなの意見が出終わったら言おう、などと思っているうちに会議で採決となり、いつもタイミングを逃してしまうという人もいらっしゃるかもしれません。
空気を読み過ぎてしまうだけでなく、自分の意見はたいしたものではないから発言しなくてもいいかと、心の中で意見を取り下げてしまっているのかもしれません。
意見を出すということは、そこにいる全員でよりよい結論に達するための貢献をすることであると考えることができるかもしれません。どのような意見も、発言をすることはみんなのためでもあるのです。
よく「貴重なご意見をありがとうございます。」という言い方をしますが、本来意見というのはどれも貴重なものなのです。これは貴重で、これはたいしものではないと評価することが適切ではないかもしれません。
ぜひあなたの周りの人の意見を大切に扱ってください。その意見はナンセンスだなどと評価せずによく聴き、何を言いたいのか一生懸命に理解しようと思ってください。あなたが周りの人の意見を大事に思うと、あなた自身の意見も大事に扱われることでしょう。そんな大事な意見は、たとえタイミングを一度逸しても、また発言のチャンスがやってくるものではないでしょうか。