【対人ラク化計画】その2〜あなたがうらやましい

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対人ラク化計画のすすめ

もっと楽しくみんなと話せたらいいのに。
でも人が苦手。言葉が出てこない。
ずっとそう思っていた私でしたが、心理学を通して人といることがラクで楽しくなりました。

ひとり時間だけでなく、人といる時間も楽しめると、毎日の喜びが倍増するかもしれません。

人づきあいがしんどいと思っていた頃、人と話しているときに感じる「競争」が嫌だなと思っていました。

そもそも自分が競争心を持っていることが、とても悪いことだと思っていたんです。

だって、競争するということは、つまり相手を負かしたいと思っているようで、私って性格悪いなと感じていたのです。相手にとって私は敵であり、私にとって相手は敵でした。

競争として感じる感情は、できることなら感じたくないほど嫌だったけど、時と場所を選ばず、しょっちゅう感じていました。

誰かと会えば、そのとき着ている洋服や持ち物から始まり、自分の経歴、収入、あらゆるものが競争のタネになっていたのです。

たとえば友人のAさんが、◯◯というブランドでスカートを買った話をしてくれたとします。

すると私は心の中で、そのブランドは私がいつも買っている服のブランドより良いのかが気になりました。

話の中でAさんが、そのスカートがセールだったので5000円で買えたと言ったとします。

すると私は、なんだ5000円か。私はいつももう少し高いものを買っているわと、少しホッとしました。

そうしたらAさんが、買ってきたそのスカートに糸のほつれがあって、セールで買ったから交換は無理かなと思いつつ、そのお店に電話をしたら、お店の人がものすごく丁寧な対応をしてくれたという話をしたとします。

そして、さすがそのブランドは、世界のセレブが愛用しているだけあると、Aさんが感心して言ったとします。
すると私は、世界のセレブが愛用するくらいなら、値段はそれほど高くないとしても、きっとデザインなどがとびきりオシャレなんだろうな、と想像するのです。そして、そういうブランドを選ぶAさんはおしゃれさんで、どうせ私はおしゃれのセンスがないから、値段が高ければ良いと思ってしまうんだ、なんだか恥ずかしい、と感じて嫌な気分になったりしたのです。

これだけ書いても、なんてめんどくさいことをしていたのかと思います。

実際には、このようなことをず~っとやっていたので、人と会っている間は頻繁に嫌な気分を感じ、そして疲れたのでした。

さて、それでは競争はなぜ起きるのでしょうか。

スポーツを例にすれば、
バレーボールであれば、AチームとBチームにおける競争は、バレーボールのゲームにおける勝ち負けを決めるのが目的です。

それでは上のAさんと話をしていた私の競争は何を決める競争だったのでしょうか。

私のほうが値段が高いものを買っているかの競争?
私のほうがセンス良いブランドで買い物をしているかの競争?

どちらもそうかもしれませんが、実は私はもっと色んな競争を、色んな人とやっていました。

私のほうが仕事を一生懸命にやっているかの競争。
よい地域に住んでいるか
休みに素敵な場所に旅行に行くか
などなど、数え上げたらきりがありません。

私はいったい何の勝ち負けを決める競争をしていたのかというと、
実は服の値段もデザインも、仕事の出来やその他の要素は、実はどうでもよかったのです。
私は、すべてにおいて「私が負けてないこと」を確認したくて、いつも人と比べていたように思います。

人は、自分が絶対に負けないと思っている場合に競争心が出てこないようです。
たとえば3歳くらいの子と、どちらが早く走れるか、本気で競争したいと思う健康な大人はまずいないでしょう。必ず勝てると知っているからです。

つまり競争心は、「負けるかも」「負けているかも」と思っているときに、沸き上がってくるようです。

すべてにおいて競争心を感じていた私は、いつも自分を「人より劣っている価値のない存在」だと思っていたのだと思うのです。

自信がなくて、価値がないような気がしていたので、私は他人をつかい、私の所有物などで、自分の価値を確認しないではいられなかったのでした。
無意識に人と比べては、「勝ってる」とか「負けてる」などと感じていました。

当時の私が感じていた競争を100とすると、今はその98%以上がなくなった気がします。(ゼロにはなっていませんが 笑)

服のセンスや身につけているもの、住んでいる場所も、何も変わっていませんが、もう競争する必要がなくなったのです。
それは私が私の所有物などではなく、自分自身のことを、「価値のある存在」だと感じられるようになったからだろうと思うのです。

競争を感じなくなると、人と接するのが楽ちんです。

ではかつての私のように、競争ばかりして、しんどい人がいたとしたら、何から手を付ければいいのでしょうか。

そのひとつの方法として、私のおすすめは、誰かの話を聞いて猛烈にうらやましく感じたら、その本人にそれを伝えることです。
たとえば前述のAさんに対して。おしゃれなブランドで買い物をしていることに競争心や負けた感などを感じたとしたら、「あなたがそういう素晴らしいセンスを持っていることが、うらやましいな。」と言ってみるのです。
「私もそうなりたい。」「あなたのようになってみたい。」どのような言い方でもいいのです。

競争心は、人に伝えず自分の中だけで抱えていると、とても悪いもののように感じるかもしれません。ところが、勇気を出してそれを本人に伝えると、心にどっさりたまった恨みがましい気持ちがすーっと消えたりすることもあるようです。言わずにいると感じる負けた感が、言ってしまうと楽になることもあるのです。

また「うらやましい」と言われたほうは、悪い気がしません。なぜなら、あなたが感じた「うらやましい」は、相手の良さをあなたが感じ取った結果だからです。褒められて嬉しくない人は、そう多くはありませんよね。

さらに、あなたが相手の価値を見て伝えられるようになると、それを投影しますから、人もまたあなたの価値を見てくれるように感じるでしょう。
そんなことを続けているうちに、あなたがご自身に感じる価値も上がり、徐々に競争をする必要がなくなっていくのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
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