女をバカにするな!と思うとき

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以前会社勤めをしていたとき、数人のグループでプロジェクトのプレゼン(発表)をすることになったんです。

たしか男性3,4人と女性は私一人のグループだったと思います。

プロジェクトの目的と進捗状況を、100人くらいの本部の全体会議でプレゼンするのですが、
グループの中で、何をどうプレゼンするのかを話し合いました。
そして、その中のひとりの方がプレゼン用のスライド(資料)をパワーポイントで作ってくれることになったんです。

全体会議の2,3日前になって、その方がスライドを作ってみたので確認してほしいとグループのメンバーにその資料のファイルを送ってくれました。

私はメールで届いたそのファイルをダブルクリックして開いた途端、資料の最初のページを見て凍り付きました。

最初のページというのは、表紙のようなもので、プロジェクトの題名と、メンバーの氏名が書いてあるものでした。

私が凍り付いた理由は、そのメンバーの氏名のところです。

男性のメンバーの名前が青色の字で書かれ、私の名前が赤で書かれていました。

なにこれ? なんで赤なの?

聞かなくてもだいたい想像がつきました。女だから赤。でも、なんで?

私はすぐに、その資料を作った人に聞いてみました。

あの、私の名前が赤なんですけど、これはどうしてですか?

するとその人(男性)は、にこにこしながら言いました。

だって女性だから。

私は食いつきました。

女性だからって、なぜ赤くするんですか?なにか意味があるんですか?

ちょっと驚いたような、でもまぁまぁという感じでその方はいいました。

赤い字だと、女性らしくてかわいいと思うんだよね。

私はすでにキーッと目を吊り上げて言いました。

プレゼンするのに、女性をかわいらしく見せる意味はないと思うので、
赤はやめてください。

するとその男性が言いました。

え、じゃあピンクのほうがいいかな。

そうじゃなくて(怒)男女の区別をする理由がないって言ってるんです(怒)

・・・・このくだらない言い合いはしばらく続きましたが、

結局その資料の表紙には、赤い字で私の名前が書かれたままになってプレゼンの日を迎えたのでした。

とても屈辱的でした。何度言っても伝わらない。言葉は悪いですが、こいつはアホかと何度思ったことか。

だいたい男女を区別したいのは、女性を下に見ているからで、それなら仕事で勝負しろと思いました。
仕事で勝てないから、こんなふうに「君は女性だからね」とわざわざ「君は自分より劣っている」と言いたいに違いない。
そんなふうに思って、カリカリカリカリ、ずっと私は怒っていました。

心理学を学び始めたころ、男性とはこういう考え方をしやすくて、女性とはこんなふうに考えやすい、という話を聞いて、
なんだそりゃ、男も女も同じだろ、と憤慨していたのを思い出します。

私は子どもの頃からずっと、男尊女卑は時代遅れで、男女平等が正しいと信じていたし、そのためには世の中の女性蔑視の風潮と
闘わなくてはならないと信じていました。

もちろん日本という国はどんどん変化しているので、かつてほどに「男性は優れていて、女性は力がない」というような考えは薄れているし、またなるべく平等にすべきという考えも広まっていると思います。

とはいえ、個人個人の考え方は様々なので、ちょっとした言葉の端々に、女性蔑視の匂いを嗅ぎつけては、嫌な気分を味わうことは日常茶飯事でした。

さて、今は、というと、実はあまりその闘志の炎は私の中で燃えていません。

女性の立場についてどうでもよくなったわけではありません。

でも、なぜあれほどまでに男女平等にこだわっていたのか、心について学んでいくに従い分かったことがあるのです。

それは、私たちは自分で自分を責めていることがあると、他人がそれを指摘すると大変怒るし傷つくものだ、ということです。

たとえば私は痩せていて背も低いのですが、
誰かが私に「ダイエットした方がいいんじゃないの?」と言っても全くなんのことやら、と思って気になりません。自分でダイエットした方がいいと全く思っていないからです。

でも先日、夫に「小学生みたいだね」と言われ少し傷つきそうになりました。
なぜなら、夫は私がボンっキュッボンっというグラマーさに欠けることを指摘したんですよね。
私自身が、もうちょっと胸が豊かだったらいいのにな〜と普段から思っていたがゆえ、でした。

話を女性の立場のことに戻しますが、
誰かが男尊女卑の発言をしたり、ちょっとでもそのような態度を取った途端に私がキッと怒りを感じたのは、私自身が自分が女性であることが損だとか、負けているとか、良くないと信じていたからこそ、だったのです。

女をバカにするな!と思っていたけれど、女性をばかにしていたのは、私自身でした。

男性と女性は全く同じものではなく、異なります。
でもそこに優劣はないのです。
にもかかわらず、女性である自分を蔑んでいるからこそ、大きな怒りを感じるということなんですよね。

本来女性が女性であること、女性に生まれてきたことは素晴らしいことなんです。

女性であるからこそ分かること、
女性であるからこそ楽しめること、
女性であるからこそ発揮できる能力など、

たくさん有難く受け取ることができると、
たとえ誰かが女性蔑視の発言をしたところで、
怒りを感じるのではなくて、
その人はそんなふうにしか考えられない理由があるんだな、などと思うようになるのだと私は思います。

自分が変わると世界が変わると言いますが、
実際には世の中が変わるのではなくて、誰かの発言が女性蔑視に聞こえなくなったり、怒りが湧いてこなくなるということなのだと思います。

今もし誰かが、男性の名前を青色にし、私の名前を赤色で書いたとしても、
その人はそうしたいんだね~、くらいにしか思いません。

オンナは損ではないし、
負けてもいない。
それだけでなくとても素晴らしいんだと、心から思えて、
オンナに生まれてきて良かったな、と思えるに従い、世の中に対する怒りが少なくなっていくのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
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・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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