オンラインの会議やら飲み会やらが盛んに行われていますが、リアルに人と会っても会わなくても、人と付き合うには自己紹介をする機会が付きまといますよね。
自己紹介をしてくださいと言われると、いつも頭が真っ白になるとか、しどろもどろになるという方もいるかもしれません。
緊張して手足が震えたり笑顔が固くなったり、お腹が痛くなってしまうこともあるかもしれません。
◇仕事上の自己紹介とプライベートの自己紹介
自己紹介が苦手だという方には、仕事上の自己紹介は問題なくできるけれど、プライベートの自己紹介はうまくできない、という方もいらっしゃいます。
仕事相手に対しては、名前、職責、今の仕事のことなど、話すべき項目もある程度決まっているし、それぞれの項目において話す内容も決まりきったことなので、考える必要もない、ということなのかもしれません。
ところがいざプライベートになると、仕事においてはあんなに饒舌だった人も、どうやって自己紹介をすればいいのか、悩んでしまうということもあるかもしれません。
◇自分がどう見られるのかという不安
自己紹介が苦手だと思っていらっしゃる方は、自分がどう見られるかという自意識が強くなってしまって、
みんなに注目されるのが怖いのだ、とお気づきの方は多いのではないでしょうか。
どう見られるかが気になるということは、たいていの場合はできれば良く見られたいわけです。
それは自己紹介をする内容において、素敵なことを言って良く思われたいということもあるし、あるいは自己紹介をしている時の私が、みんなに分かりやすく話せているなど、「きちんとできる」私でありたい、ということもあるかもしれません。
良く見られたいからとかえって緊張してしまうとき、私たちは自分以上の何者かになろうとしているのかもしれません。
ところが、あなたの自己紹介を受ける人たちにとっては、いつも以上に背伸びをしたあなたとか、「上手にできる」あなたを
見たいのではなくて、本来のあなたとはどんな人なのかを知りたいのです。
そんな人たちに、あなたとはこんな人なんです、ということを勇気を出して教えてあげてくれませんか?
◇誰も私に興味ないでしょ?という思い
自己紹介をするといっても、そもそもこんな自分のことなんて、誰も興味ないに決まっている・・と思うこともあるかもしれません。
自分のことを正直に話してみたら、なーんだ、そんな程度か、と思われると悲しい、と思うこともあるでしょう。
へーえ!と感心されたり興味を持ってもらえたら嬉しいけれど、ふーん、といかにも興味なさげな顔をされたりするとへこむと思うし、大抵の場合は興味を持ってもらえるはずがない、だって平凡だし、などと思っているかもしれません。
心理学では、あなたの見ている世界は、あなたの心の中を映した鏡のようなものだといいます。(これを投影といいます。)
人があなたに興味ないだろうと思うとき、実はあなたがあなた自身のことを、面白くもないやつだと興味を示していないのかもしれません。
あなたはあなた自身に興味がありますか?
あなたって、どんな人ですか?
何に興味をもっていて、それはなぜ楽しくて、どんな気分になるのでしょうか?
そんなことを、時間のあるとき、たとえばステイホームでやることのないときに、ゆっくりコーヒーでも飲みながら考えてみるのもいいかもしれません。
◇自分のストーリーに目を向ける
たとえばあなたが「料理が好き」だとしたら、
なぜ料理が好きなのですか?(たとえば、外食するより体に良さそうだから)
どんな料理を好んで作るのですか?それはなぜ?(たとえば、エスニック。海外旅行でタイに行ったときの味が忘れられなくて自作するようになった)
など、自分の「好き」にまつわるストーリーが色々とあると思うのです。
すると、そうそう私は実は健康オタクなところがあって、つい体に良い食材を買い求めてしまうんだよな~とか、
タイといえば、タイシルクも好きだったな~。あの手触りがいいんだよね、とか、
あなたという人が、何を好きで、そうなった理由が何で、普段どんなことを大切に生活をしているのか、などが浮き彫りになってくると思うのです。
あなたという唯一の存在が持っているストーリーにあなたが興味を持つと、きっと周りの人もそんなあなたのストーリーに興味深く耳を傾けてくれるのではないでしょうか。
◇自己紹介はうまくできなくていい
自己紹介をうまく話したい気持ちは、周りの人が分かりやすいように話したい、という優しい気遣いでもあるでしょう。
しかし、流暢に話すのがいいのかというと、一概にそうとも言えないのかもしれません。
つっかえながらも、私ってこういう人間なんです、、、と正直に自分と向き合いながら自己紹介すれば、きっと周りからも温かい気持ちで迎えられるのではないかと私は思います。
誰でも、一生懸命に正直に生きている人を応援したいものですものね。
自己紹介が苦手だと思うとき、ほんの少しだけ、「私の自己紹介の基本形」を考えておくのも手かもしれません。
たとえば料理好きの話は必ずする、とか、健康オタクだということには触れる、などとしておくと、いざ自己紹介をするというときに頭が真っ白になることはなくなるでしょう。
そのうえで、自己紹介に対する苦手意識が薄らいできたら、その時その時に頭に浮かんだストーリーを話してみるなどを試してみると、初めて会った人との会話のライブ感を楽しめるのではないでしょうか。