【アメブロ記事】喧嘩して鬼になりたいわけじゃないのに

パートナーに対して、「なんであなたはそうなのよ!」という怒りが、自分としても手に負えないと感じることがありませんか?
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ここまで怒りたくないと思いつつ、止められなかったり。
そんな心理についてです。
怒りを感じる心理
私のケースで恐縮ですが、かつて夫はよく仕事帰りにお酒を飲んでは、ベロンベロンに酔っ払って帰ってきました。
どうやって家までたどり着いたんだろうと不思議に思うほど、目は焦点が合わないし、千鳥足だし、話がかみ合いません。
玄関に倒れ込んだ夫はそのまま廊下で寝始めました。
そんなとき、私はどうしようもなく怒りが湧き上がってきて、いい加減にしてよと思ったし、なんであなたはいつもそうなのよ、と大声で夫を責め、私はきっと鬼の形相だったと思うのです。
当時私が何を思っていたかといえば、
こんなになるまでお酒を飲むなんて、社会人として最低。
私が優しく介抱すると思ったら大間違いよ。
お酒くさいし、めんどくさい!
ひと言でいえば、お酒を飲むなら節度を守れ、ということでした。大人ですからね。あながち間違いではないかもしれません。
その怒りはどこから?
お酒を飲んだときだけでなく、私はよく夫の態度や言動に怒りを感じ、「もっとこうすべきでしょ」と夫を叱っていました。
もっとこうすべき。
つまり、あなたのやり方は間違っているので、こう変えるべきだ、と言っていたのです。
私には、私が正しいと思う生き方があって、夫もそのように生きるべきだと感じていたのです。
でも、それはそうとして、なぜ夫が私の正しいと思うことをやってくれないと、私は鬼のように怒らなければならないんだろう。
私はその理由を知りたくて、ずっと考えていました。
夫に対して鬼みたいになりながらも、頭のどこかで、なんで私ったらこんなに怒ってるんだろうと考えていました。
そして、あるときとうとうわかった気がしたのです。
また酔っ払って玄関で倒れ込んだ夫を見て、私は思ったんです。
あなたがそうだと、私はあなたを愛せないじゃないのよ。って。
だから辛いのよ。
だってあなたを愛したいから。
みなさん、これ、どう思いますか?
「本当はあなたを愛したいけど、そんなことをするあなたは愛せません、愛せないのは辛いので、あなたが変わりなさい。」と私は夫に言っていたようでした。
つまり、夫に条件を突きつけて、この通りになれば愛しますと言っていたのです。
条件つきの愛
夫に突き付けた条件は、実は私が私自身に突き付けていた条件でもありました。
もっとちゃんとしなさい。
もっと大人としてきちんと生きなさい。
誰にも迷惑をかけず、ひとりでがんばりなさい。などなど。
すると、私がその通りに努力してがんばっているのだから、「あなたもそうしなさいよ」と夫に思っていたのです。
私がもしその条件からはずれたことをしたら、私は私に幻滅するし、
きちんとしないと誰にも愛されないと思っていたのです。
だから夫にも、私に愛されたいなら、ちゃんとしなさいよと思っていたのでしょう。
愛されるには、「きちんとした人になる」必要があると私は信じていたようでした。
条件つきの愛は、あなたのいいところは好き、よくないところは徹底的に嫌い、と言っているようなもの。
夫をまるごと愛することとは、かけはなれていたようです。
条件なしの愛
夫をまるごと愛するって何?そんなのありえないとも思いました。
それはつまり、私自身もまるごと愛されるなんてことは、ありえないと信じていたのです。
子どもの頃、学校のテストで良い点をとるとほめられ、悪い点をとると母にがっかりされたとき、すごく悲しかったことを思い出しました。
良い点を取らないと愛されないんだね。
本当は、どんな私でも愛してほしかったのに。
そんなふうに感じた私が、いまや夫に同じことをしているみたいだと思いました。
自分をゆるし、彼をゆるす
私たちは、パートナーなどに向けてやっていることは、自分自身にもやっていると言われています。
ということは、パートナーへの態度をあらためたいならば、自分自身への態度をあらためるといいと言えるのではないでしょうか。
私は、きちんとしなくちゃ、とか、ひとりでがんばらなくちゃ、ではなくて、
ちょっとくらい間違ってもいいか。(間違ったら修正しよう。万一誰かにご迷惑をおかけしたら、丁寧に謝ろう。)
できないときには、誰かに助けてもらおう。(できない自分を嫌わず、お願いしますと人に言えるようになろう。)
と、少しずつですが、思うようにしていきました。
それまでは、自分で自分を監視するかのように「きちんとしなくちゃ」と思っていたのを、「もうそんなに厳しくしなくていいよ」と自分を許せるようになると、まずは私自身がとても楽に感じました。
そして不思議と夫のことも、だらしないとか、しっかりしていないなどという強い怒りを感じなくなっていったのです。
もちろん今でも夫に文句を言ったりすることは多々ありますが、いつのまにか鬼のように怒る私は消えていたように思います。
本当は鬼になんてなりたくなかったんです。
でも鬼からおりる方法がわからなかったんですよね。
どなたかのご参考になりましたら、うれしく思います。
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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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