夫婦再構築に向けて〜感謝を伝えたくない心理

夫婦再構築をしたい、というご相談をいただいたとき、最初の一歩としてパートナーに感謝を伝えてみませんか?と提案させていただくことがあります。

現状、仲が良くないわけですから、相手に感謝なんて感じないと思うこともありますし、相手に感謝なんてしたくないと思うこともあると思うのです。

こっちが感謝してほしいくらいだ、と思う気持ちも、個人的にはよくわかります。

目次

「ありがとう」を言うことに抵抗する心理

「ありがとう」を言うことに抵抗する心理は、

こっちだって感謝されていないのだから、私からは感謝したくない、とか

私が感謝したとして、相手がいい気分になったら嫌だ、

など、相手ばかり良い思いをさせたくない、ということでしょうか。

ところが、深層心理は、少し違うようなのです。

深層心理で「私が感謝したくない」のは、もし私が感謝して、相手がいい気分になったとしたら、

「そんなことくらいであいつがいい気分になるような、そんな素晴らしい力が自分にあると分かってしまう」のが嫌だ、ということのようなのです。

自分にはそれだけの魅力があるし、価値があると分かってしまう。
それが嫌だ・・・・と、無意識のレベルでは感じているようなのですね。

自分にはパートナーを喜ばせる力があると、わかりたくない理由

自分にはパートナーを喜ばせる力があると、わかりたくない理由のひとつには、その力を使ってこなかった(パートナーを喜ばせてこなかった)罪悪感といえます。

相手を喜ばせる力を出し惜しみしてしまったかもしれない罪悪感。

私たちは、心の奥のほうでは、パートナーを喜ばせられる力を自分は持っているんだと、知っているのかもしれません。

でも十分にその力を発揮してこなかったことも知っているので、「ありがとうを伝えることでパートナーを喜ばせられるのだから、どうぞやってみてください」と言われると、

やり忘れた宿題を目の前に並べられたように、ぐぐぐぐ・・・、と、とっても嫌な気分になってしまったり、、するのかもしれません。

あるいは、そんな力がある私であるならば、「もう相手を責めてちゃいけないんじゃないの?」
「夫婦仲を良くするカギは、もしかしたら私にあるんじゃないの?」

・・・と、気づきたくない、という思いかもしれません。

どちらから先に感謝する?

パートナーシップは、さまざまなことが五分五分だと言われますから、感謝もお互いにするのがいいはずです。

ではお互いに感謝するとして、どちらから先に感謝したらいいのかといえば、気づいた方からといえます。

え?なんで私から?と思うかもしれません。

パートナーシップは、「待ちの姿勢」ではなく、「自分から行動」することで、早く変化が起こるといえるのです。

しかも、「待ちの姿勢」は相手がやってくれるまでイライラしますし、やってほしい形が返ってこないと、それもまたイライラの元になりやすいのです。

心理学では「好意の返報性」ともいいますが、いいことを相手にすると、相手は何かいいことをお返ししたくなると言われています。

感謝をして相手がいい気分になったとしたら、相手からもそのようなものが返ってくることが考えられるのです。そうしたら、またあなたから感謝をすることで、ぐるぐると、好意の循環ができるといえるのではないでしょうか。

心理学ではまた、自分から行動する人のことを、愛のリーダーシップを取る人などと呼んだりもします。

一般的なありがとう

さて、気分が乗るかどうかはさておき、あなたが愛のリーダーシップを取ろうと決め、ありがとうをパートナーに言うことにしたとします。

どんなありがとうを言いますか?

よくある一般的なありがとうは、

何かを(して)もらったときのお礼としての、ありがとうがあります。

花束をもらったときに、「ありがとう」

ゴミ捨てに行ってくれたときに「ありがとう」

また、普段からお世話になっていることを、ひとまとめにして、

「いつもありがとう」

というのもあります。

これらも感謝には違いないのですが、どちらかというと挨拶のように聞き流されてしまいがちなことがあるかもしれません。

なぜなら、感謝の対象が、「花束」などの物だったり、「ゴミ捨て」などの行為だったり、「いつも」などの漠然としたものだったりするので、相手のハートに届きにくいと言えるのですね。

どうせ感謝を伝えるのであれば、相手の心に響く感謝をしませんか?

心に響くありがとう

では心に響くありがとうの伝え方です。

それは、相手が何かをやってくれた時の、相手の気持ち(愛情)にありがとうを言うことです。

たとえば、生活費をいれてくれるダンナさんだとしたら、

給料日に「生活費をありがとう」だけではなく、

「いつも家族みんなが不自由なく生活できるように、頑張ってくれてありがとう」とか

(内容は、ご家庭の状況に応じてアレンジしてくださいね。)

休日、スーパーに買い出しに行くため車の運転をしてくれたとしたら、

「私がひとりだと荷物を持ちきれないと思って、助けてくれて、ありがとう」など、

やってくれたことだけでなく、その裏に隠れている相手の思いにありがとうを言ってみていただきたいのです。

そうすると、相手はあなたに「わかってもらった」と感じてくれることが多いようなんですね。

逆を考えてみるとわかりやすいのですが、

もし毎晩あなたが、夜おそく帰宅するダンナさんのために、夕飯を作ってお皿に盛り付け、ラップをかけてテーブルに置いて、先に寝るとします。

翌朝起きて顔を合わせたときに、「いつも夕飯ありがとう」と言われるのも悪くないでしょうが、

「いつも僕の体を気にかけてくれて、栄養あるものを作って置いておいてくれて、ありがとう」と言われると、

(ケッ、今ごろ分かったか)などと感じながらも、ちょっと心の中があたたかくなる気がしませんか?

最初は相手の思いにありがとうを言おうとしても、相手の思いが何なのかがわからなくて、少し難しいと感じるかもしれませんが、やっているうちにコツがつかめてくるはずですよ。

ご参考になりましたら幸いです。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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