心理学を学び始めた頃、誰かに言われました。
あなたって、超自立の女性ね、と。
私は、ふふん、と、まんざらでもない気分になりました。
だって、褒め言葉だと思ったから。
まさかそれが、本当は、
誰にも頼らず、
誰にも本心を明かさず、
誰のことも信用せず、
ひとりでなんとかしよう、なんとかできるはずと、頑張っている状態を意味しているなんて、思いもよりませんでした。
ちょっと聞くと、それでもけなげに頑張っているように聞こえるかもしれませんが、
誰の言葉も聞こうとせずにいるのですから、自分のやり方の限界にあって、身動きできていない状態なのです。
進歩しないし、もがいている。
苦しいけれど
出口がないように感じる状態。
暗闇をさまよっているかのように思えたけれど、そこからどうやって脱出できるのか、分からなかったのです。
私たちは問題があるとき、心が分離状態だといいます。誰からも切り離されている状態。
ですから分離を癒すと問題は解決に向かいます。
他人から自分を切り離している分離は、自分のことを嫌っている状態と言えるかもしれません。
自分を嫌っているから、誰かのそばに自分を置いておきたくない。だって人にまで嫌われるのは嫌だから。だから切り離す。
ひとりなら、嫌われないから。
ということは、分離を癒すとは、自分を嫌うことをやめ、自分を誰かと繋げること。
自分を嫌っているひとは、意外と多いような気がしますが、どうすれば嫌うことをやめられるのでしょうか。
私が考える、自分嫌いをやめる方法は、
何を考え、
何を感じ、
何に悩み、
何を怖れ、
何を迷っているのか、
何を愛し、
何を大切に思い、
何がなくては生きていかれず、
何に対してメロメロになってしまうのか、
全部誰かに話せることなのではないかと思っています。
そもそも自分の内側を人様に晒すなんて、
怖いし、恥ずかしいし、絶対に馬鹿にされるし、嫌われると思っていることがあります。
でもそれは、自分が自分を嫌っているから、
みんなも私を嫌うと思うだけ。
自分を嫌わなくなると、みんなも自分を嫌わないだろうと思え、なんでも話せるようになるのです。
しかしまだ自分を嫌っているうちは、どうすればいいのでしょうか。
それは、順番を逆にすればいいと思うのです。
自分を嫌わなくなるから、なんでも話せるようになる、ではなくて、
なんでも話してみると、案外人に嫌われないことが分かるので、ついては自分を嫌わなくなる
ということなのです。
ややこしいかもしれませんが、
まず話しやすい人に、話してみるということなんです。
何を考え、
何を感じ、
何に悩み、
何を怖れ、
何を迷っているのか、
何を愛し、
何を大切に思い、
何がなくては生きていかれず、
何に対してメロメロになってしまうのか。
自分を全部知ってもらうつもりで話してみて、自分を全部知ってもらっても嫌われないことを実感してほしいのです。
あなたはあなたが思うほど、ダメじゃない。
それどころか、自分を知ってもらう覚悟ができると、なぜか愛してくれる人が現れる。
あなたを、全部おしえてください。
あなたが、あなたを嫌うことをやめられるように。
あなたが、本当は愛される人だということを、思い知ってもらうために。