あなたは、小さいころから先生や親の言うことをよくきくいい子ではありませんでしたか?
世間的に良いと言われる学校に行き、良い仕事につき、優等生といわれてきませんでしたか?
そんな「いい子」「優等生」は、人に認められてうらやましがられることが多い一方、実は恋愛がうまくいかずに悩んでいるということがあるようです。
今日は、「いい子」「優等生」が恋愛下手になってしまう理由と対処法を、心理の観点からご紹介します。
「いい子」「優等生」が恋愛下手になりやすい理由
「いい子」「優等生」のすべてに当てはまるわけではありませんが、恋愛下手になりやすい心理的な理由として、「我慢が得意」があげられます。
我慢とは、辛いことを耐え忍ぶこと。山あり谷ありの人生には必要なはずですが、恋愛にとっては逆効果ということもあるようです。

我慢することは良いことだと思っている
我慢して勉強を頑張ったら、お母さんから褒められた。
我慢して練習を頑張ったら、部活の試合で良い成績を残せた。
その後もいろんな我慢をすることで、先生や大人たち、上司などに褒められたり、良い結果を残せたりしたことが、誰にでもあるのではないでしょうか。
そんな経験があると、我慢することは良いことだと思い込んでしまう場合があるのですね。
すると、彼や彼女ができたけど、あまりデートに誘ってしつこいと思われるのも嫌だから我慢したほうがいいな、とか、
LINEで連絡する頻度も、控えたほうがいいだろう、とか、
最近彼(彼女)が浮気しているんじゃないかと思うけど、文句を言ったら束縛してると思われるからと、グッと我慢しよう、などと思ってしまったりするようです。

本当は「こうしたい」けど、我慢しなくちゃ。
本当は「嫌だ」けど、我慢しなくちゃ。
我慢すれば、きっと報われる。
・・・それ、本当なんでしょうか。相思相愛の仲であれば、「またすぐにデートしようね」「今日もあなたとつながりたくて連絡しちゃった」「声がききたい」「最近わたしたち、うまくいっていない気がして不安なの」なんて、我慢されるより直接言われたほうがうれしいと、思いませんか?
自分の欲求に対して自信がもてない~こんなことを思ってもいいの?
我慢が得意な人は、自分の欲求に対して、「こんなことを思っても(言っても)いいの?」というように自信がもてなくなっている場合があります。
これまで自分の「したい」「やってみたい」という思いを抑圧してきたとしたら、自分の欲求を「わがまま」「悪いことだ」などと思って、口に出すことを躊躇してしまうことがあるのです。我慢とは自分が何をしたいのかよりも何をすべきかを優先することでもありますから。
好きだから会いたい。私のことどう思ってるのか聞きたい。ずっと一緒にいたい。私のことだけ見てほしい。恋愛ならば当たり前の欲求を持つことさえ自信がもてずに、「こんなことを思っていいの?」「言わないほうがいいよね」などと、また我慢しようとしてしまうかも。

我慢は心の距離をつくる
恋愛における我慢は、心の距離をつくってしまいやすいでしょう。
たとえば、
今度のデートはいつにする?
どこに行く?
なに食べたい?など、
普段何気なくかわす会話でも、自分の思いをそのまま伝えることがわがままであるかのようで抵抗を感じ、相手に決めてもらおうとばかりしてしまうかもしれません。
相手に対して意思表示が少ないため、「なにを考えているかわからない人」と思われてしまったり、
デートしたいとも、会いたいとも言わないうちに、相手の方に「自分との恋愛に積極的ではないのかな」という印象を与えてしまうこともあるかもしれません。

我慢は怒りになる
普段はおだやかなあなたが、あるとき急に相手への怒りが湧いてきて、怒りをぶつけてしまったということがあるかもしれません。我慢がたまると怒りになってしまうのですね。
怒りをぶつけてしまうのは嫌だからと、相手との距離を取って引きこもってしまう人もいらっしゃいます。
どちらにしても、我慢をつづけていると、ふたりの関係にヒビが入りやすくなるといえるのです。

「いい子」「優等生」が恋愛下手にならないための対処法
「いい子」「優等生」が恋愛下手にならないための対処法は、我慢ばかりの「いい子の自分」を手放すことといえます。いい子の手放し方をみていきましょう。
我慢していることに気づく
まずは、自分が我慢していることに気づこうとしてみましょう。
我慢することに慣れてしまうと、自分が我慢しているのが当たり前すぎて、気づかないのです。
「いま私は我慢している」と気づけることが、とても大切なのです。

その我慢はなんのためか、チェックする
我慢していることに気づいたら、その我慢はなんのためか、チェックしてみてくださいね。
相手にきらわれないため。重たいと思われないため。良い彼・良い彼女でいるため。
もしそういうことが頭に浮かんだとしたら、それらは相手に愛されるために我慢しているといえます。
心理学では愛されるための行為のことを「補償行為」とよんでいます。
補償行為とは、自分はそのままでは愛されないと思うので、その行為(ここでは我慢)をすることで愛されようとするのです。
しかし補償行為は、行動動機が怖れ(そのままでは愛されないという怖れ)なので、やってもやっても愛されている気がしないのです。
私たちは、愛を行動動機にするときに、相手からも愛されていると感じられるのですね。

我慢を手放して、相手を愛することを選択する
相手に愛されようとして我慢しているのだとしたら、その我慢を手放そうと思ってみてください。
え?どうやって手放すの?と思うかもしれませんが、まずは「手放そう」と思うだけで十分ですよ。
そして、我慢のかわりに、相手を愛することを選択してみようとしてみてください。
・・・難しいですよね。
愛することを選択するとは、相手を愛そうと思うこと。どうやって愛そうかと悩むこと。こんなふうに愛してみようかなと試してみること。
我慢するより難しいと感じるのは、「愛する」ということに今まで慣れてこなかっただけです。
愛することが当たり前にできるようになる頃には、「私が恋愛下手だったなんて」と思うくらい、大事な彼・彼女と楽しく過ごせるようになっているかもしれません。

大切なのは「そのままの私が愛される」という思い
「いい子」「優等生」が恋愛下手から脱却するために大切なのは、「そのままの私が愛される」という思いです。
恋愛相手に対して我慢してしまうとき、私たちはそのままの自分では愛されないと感じるから我慢してしまうのです。
ところが、そのままでは愛されないと思っているのは、実は自分だけであって、相手はあなたをそのまんま愛したいと思っているものなんです。
ただ、それを信じられないというのがミソといいますか。。。
自分の「こうしたい」「こう言いたい」という欲求を抑圧してきた人は、そんな欲求を感じているような自分を心の中で罰していることが多く、心の中の本当の自分は悪い人間なんだと思っていることがあるのです。
「いい子」を手放したら「悪い子」になってしまうのではないかと思う方も、本来の自分は悪い子なんだと思っているからなんですよね。
でも「いい子」を手放しても「悪い子」にはなりませんよ。「超・いい子」が、「ふつうにいい子」になるくらいかと思います。
そのままのあなたが愛されるという思いは、生まれたばかりの赤ちゃんだった頃は誰でも持っていたはずなのです。とうの昔に忘れてしまったその思いを、少しずつ取り戻していきましょう。
よかったらカウンセリングで、お手伝いさせていただきますね。
