人と会うと疲れるという方の中には、翌日に寝込んでしまうという方もいらっしゃるようです。人と会って疲れる理由のひとつでもある「いい人のふりをやめられない」ということについて心理解説します。
そもそも「いい人」って何なのかは、人によって異なるものです。
相手の話を聞き続ける人。
自分の意見を言わない人。
いつもにこにこ笑顔の人。
相手を褒めてばかりの人。
お財布のひもが緩い人。
などなど、他にもあなたにとっての「いい人」があるかもしれません。
いい人のふりをする理由
「いい人のふりをやめられない」人は、なぜいい人のふりをするのかというと、そもそも自分はいい人ではないと思っているから、と考えられます。
自分は嫌われるとか、相手にされない、愛されない、などという自己概念があり、素のままの自分では嫌われると思うので、本当の自分を隠していい人のふりをしなければならないと思うのではないでしょうか。
厚化粧をする人は、ノーメイクや薄化粧の自分では愛されないと思っていることが多い、というのと似ているかもしれません。
素のままの自分は嫌われるという自己概念はどこから?
素のままの自分は嫌われる、という自己概念がどこから来たのかというと、人によっては幼少期に親の言いつけ通りに行動すると褒められ、親の言いつけを守らないと叱られる、という、誰もが経験しそうなしつけから始まることもあるでしょう。
褒められることをする私だから愛されるの?
褒められると愛されている感じがして嬉しいので、もっと褒められることをしようと頑張ったかもしれません。
すると、親の気に入ることをする私は愛されるけれど、そうでない私は愛されないと感じるかもしれません。それはつまり、私自身(=素の私)に価値があるから親が愛してくれるのではなくて、私の行動が親の意に添うならば愛されるのだ、と思い込んでしまうことがあるでしょう。
自分らしい私は愛されないの?
また、親に叱られたときには、悪気はなかったということがありませんか?
たとえば美しいガラスのお皿があまりにきれいなので、「これが粉々になったらお星さまみたいにきれいなんじゃないか」などという独創的な発想でお皿を割ってみたら、親にひどく怒られたとします。
もちろん物を大切にしなさいというしつけではあるかもしれませんが、自分らしい自由な発想、つまり素の自分は悪い存在であるなどと感じることもあるかもしれません。
いい人のふりをやめられない人の特徴
人は誰でも優しくて愛されやすい面と、ちょっと意地悪など自分自身でも好きになれない面があるものです。
にもかかわらず、いつも「いい人でいなければ!」という思いが強すぎると、「自分の良くない面」もどこかで出さないとバランスが取れなくなることもあるようです。そのため、たとえば親や先生や上司などの前ではいい人のふりをするけれど、その人たちの目が届かないところで、つまり隠れたところでは、全く逆の「悪(ワル)」になってしまうということもあるかもしれません。
また、いい人のふりをすると相手が喜ぶので、そんな相手の笑顔を見たいなど、温かくて心優しい方であるとも言えるのかもしれません。
ただし、相手が何をしたら喜ぶのかと、人の顔色ばかり気にしてしまうということもあるでしょう。
いい人のふりをしなくてもいい自分になるには(対策)
いい人のふりは、自分を良くないと思っているからやっている、としたら、自分を良いものと思うことができれば、いい人のふりをやめることができるはずですよね。
そこで、自分の良いところを知る方法を二つご紹介したいと思います。
自分の良いところを知る方法 その1~人に教えてもらう
まずひとつめ。それは、人に教えてもらうということです。
自分で分からないことは人に聞くのが手っ取り早いですよね。
とはいえ、この方法にはひとつ欠点があります。
せっかく周りの人があなたの良いところを教えてくれても、頭では「なるほど、私にはそのような良いところがあるのだな。」と思いつつ、気分的に受け取れないことがあるのです。「そんなのお世辞じゃないかな。」と疑ったり、「褒めてもらっても、安易に喜んでなるものか。」などと思うことがあるかもしれません。
自分の良いところを知る方法 その2~他人の良いところを見つける
心の底から自分の良いところを実感できるようになるためには、もうひとつの方法がおすすめです。それは他人の良いところを見つける、という方法です。
「自分の」良いところを知るために、
「他人の」良いところを見つけるのです。
「自分の」良いところを知るために、
「他人の」良いところを見つけるのです。
心には投影というしくみがあるのですが、そのしくみによって、私たちは自分の心の中にあるものしか見えないと言われています。
他人を見て、「うわぁ、この人はいつも笑顔で、相手の人が気分よく過ごせるような心遣いが素晴らしいいなぁ」とあなたが心から思ったとします。
そういうとき、あなたの心の奥の奥では、あなた自身にも同じような良さがあり、だからこそ、他人の良さが見えているようなのです。
つまり、他人の良いところを見つけると、自分にもその良さがあったなと、心が勝手に気づいてくれると言えるかもしれません。
繰り返しが大切
このように、心の底から自分の良いところを実感するということを繰り返すうちに、「自分も悪くないな」とか、「なかなかいいやつじゃん」というように、自分という存在の良さが感じられるようになると考えられるのです。その頃にはもはや「いい人のふり」をする必要がなくなると言えるのではないでしょうか。
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