旅先からの贈り物~受け取ることは自分の価値を認めること

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南の島を旅していた友人から、立派なマンゴーが届きました。
美味しかったからと、旅の途中で送ってくれたのです。
日々めちゃくちゃお仕事を頑張っている人なので、ご自身のリフレッシュのための旅だったはずなのに、
旅先で私を思い出してくれて、
美味しそうなマンゴーまで送ってくれて、感激しました 笑
宅配便が届いて、箱を開けて、美しいマンゴーをひとしきり眺めてから、お礼のLINEを送りまして、
そのとき、あ、、と一瞬自分の中で一問一答しました。
それは、
問 ありがとうのひと言だけで、いいのかな?
答 いいよいいよ、彼女のお気持ちを有り難く頂こう。
でした。
◇◇◇
私はもともと、プレゼントやおみやげなどを頂くことがあると、ただ「わ~!ありがとう!」と喜んで、ほくほくして、頂戴していました。
でも、あるとき、たしかあれは社会人になって2,3年の頃でした。
私は自分で買ったおみやげの温泉まんじゅうを会社の同僚に配り歩いていました。
いつもお世話になっている女性の先輩の席にも行って、「温泉に行ってきたので、おみやげです。」と言いながら、おまんじゅうを一つ差し出しました。
するとその先輩は、「わぁ、ありがとう」と言っておまんじゅうを受け取って下さったのですが、すかさず机の引き出しからチョコレートを出して、私に差し出したんです。「お返し」って。
私は、おみやげにお返しをその場でする習慣が無かったので一瞬驚いたのですが、その時は「ではいただきます。」と言ってチョコレートをいただきました。
その後すぐに、私は気づいたんです。
私自身は、何かをいただいたときに、すぐにお返しをする習慣はなかったのですが、周りの女性たちは、何かをもらったら、交換のようにお返しをしている人がいるということを。
しかもお返しをしていた人たちは、私が憧れていた先輩たちだったこともあり、私は思ったんです。「お返しをする習慣がなかったのは、私が世間知らずだったからに違いない。」と。
私はそれまで、ただ「ありがとう」と言って終わらせていたことが、急に恥ずかしくなりました。
私はお返しをしている先輩たちが、とても大人の女性で、かつ輝いて見えました。それとともに、自分がとても子供っぽくてダサい女に思えてしまったんです。
それ以来、私は人から何かを頂戴したら、すかさずお返しをするようになりました。それまでの自分が世間知らずだったことを償うかのように。
そしてようやく私も世間並になったと胸をなでおろしていました。
あるとき、10年ぶりくらいに姉とおしゃべりする機会がありまして(姉とは仲が悪かったわけではないのですが、お互い仕事に没頭していて会わない期間がありました。)そのときに姉が私の大好物のちりめん山椒を手作りしたものをくれたんです。
私は喜んでちりめん山椒を受け取ったのですが、お返しするものが手元に何もないなと思いました。そして相手が姉だったこともあり、正直に「ごめん、いま何もお返しするものがないよ。」と伝えました。
すると姉が言ったんです。「なんでお返しなんて言うの?ただ貰ってくれたら嬉しいのに。」
それを聞いて私は、一瞬頭の中がぐるんとひっくり返るような、何が正しいのかわからない状況になったのですが、すでにその時私は心理学を勉強していたこともあり気づいたんです。そうか、お返しにヤキモキするより、有難く頂戴するほうが、実は相手は嬉しいんだ、と。
◇◇◇
そもそも私は、憧れの先輩がやっている「すぐお返し」を、世間の常識であると思い、それを真似ました。
私には誰かの良いところを見つけると、すぐに真似たり、自分の習慣として取り入れるということがよくあったのです。それは自分では、より良いものに自分を進化させるための前向きな行動であると信じていました。
しかし人のやっていることを取り入れるというとき、私たちはその人がやっていることと自分がやっていることを比べます。そして相手のやっていることのほうがいいと思うとき(上記のケースでは先輩がやっていることが世間の常識だと思ったとき)、相手のやり方を採用するのですが、その際に自分がやっていることはイケていないと思うこともあるようです。
つまり私は、自分がやっていることを良しと思えないことが多く自分を肯定してあげることができなかったので、人のやり方を取り入れ、「すぐお返し」もするようになったのでした。自己肯定感が低いとか、自己価値が低い、なんていう言い方もありますよね。
そんな私ですから、それ以降人から何かをプレゼントされたりすると、「世間並のまともな自分にならなければ」とか「相手の方に失礼にならないようにしなくちゃ」という思いばかりでお返しをしてきたのですが、それって実は、プレゼントしてくださった方のお気持ちを全く考えていなかったんですよね。
すぐにお返しをする方が必ずそうだという意味ではないのですが、私の場合は、「なにかを(して)頂く」イコール「お返ししなきゃ」になっていました。つまり、相手の方が私にそれをプレゼントしようと思ってくれたお気持ちを、全く無視していたんです。(ごめんなさい)
そのお気持ちはまさしく愛であって、それを受け取らないことが、もっとも相手に失礼だったなと漸く気づいたのでした。
お返しは、後からでも、いつでも、好きな時にすればいいわけでして。
それ以来、私は「すぐお返し」の習慣をやめました。
じっくり相手の方のお気持ちを有り難く味わうことにしたんです。
でも、そうすると今度は、なんだか申し訳ないような、自分だけ得してしまったような、嫌な感じがするんです。
そもそも自分の価値を認めづらい私でしたから、自分だけ得してる感が、居心地悪くなってしまいました。
私はあらためて、私にとっての「すぐお返し」は、自分だけ得をしないための免罪符みたいなものだったんだなと思いました。
相手の愛を受け取ることは、相手に感謝し、その愛を受け取っていいほど私自身に価値があるということを認める、ということのようでした。
だから慣れるまで、居心地悪いんですよね。
最近ではだいぶ慣れてきたものの、やはり時々、上で書いたような一問一答をしてしまうんですよね。
◇◇◇
マンゴーの話に戻りますが、
収穫直後より、数日間常温で追熟させるとより美味しいと、同封のパンフレットに書いてありました。
現在うちのリビングにて追熟中。美味しくいただくのが楽しみです。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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