誰かのことが嫌い。
あの人があんなことを言っていたことに腹が立った。
信頼していた人がとんでもないことをしでかした。
そんなとき、あなたは「あの人のことがキライだ!」と思ったり言えたりしていますか?
もちろん言える人もたくさんいますが、
嫌いという感情を感じることを避ける傾向にある人もたくさんいます。
そのような方は、嫌な感じが湧き上がってくると、それは良くないことだからと
自分をたしなめるといいますか、その感情を感じないようにしたり、無かったことにしたり、
別のものに意識を向けようとしたりするかもしれません。
誰かに対して嫌悪を感じることが、自分が悪人であることを認めてしまうようで怖いこともあるでしょう。
私もずっとそうだったのですが、誰かを嫌いになってはいけないと、心の中で信じていたように思います。
なぜでしょうね。。。小学校の道徳の授業などでそんなことを習ったのか、はたまた親にそう言われて育ったのか定かではありません。
でも嫌いな感情を感じそうになると、いやいや私は人を嫌いにならないような立派な人間のはずだと思ったりしていましたよ。
実際には心の中では嫌いな感情が存在していることを感じているので、私は良くない人間だとこっそり自分を責めていたようにも思います。
そして「嫌い」と思うことは、それ自体が悪いことではないと今の私は思っています。
誰かを嫌いだと思うとき、その人の人格すべてを否定しているように思うかもしれません。たとえばAさんがあんなことを言っていたから私はAさんのことが嫌い、など。
でも実際はその人の「ある行動」や「ある言動」が嫌いなのです。
その嫌いな部分がその人の全体を象徴しているように思うので、「その人」が嫌いだと思ってしまいますが、
実際は「その部分」が嫌いなのです。
そして、その人の「その部分」が嫌いだと思うとき、それを嫌う理由は私たちのほうにあります。
たとえば芸能ニュースである芸能人が不祥事を起こしたことを知ったとします。最近は不倫のニュースがよくありますよね。
あなたは「そんなことをする人間は最低だ」と思うかもしれません。でも別の誰かは「不倫なんてニュースでやるほどたいしたことではない」と思うかもしれません。
もちろん不倫そのものは世の中的には良くないものではありますが、実際には人によって受け取り方は様々です。
それは不倫そのものに対する考え方だけでなく、結婚、恋愛、誠実さ、夫(妻)とは、父親(母親)とは、芸能人のあり方など、多くの物事に対してこうあるべき、こうであって欲しい、こうでなければ絶対にイヤなどの考え方があり、それらがミックスされて今の考え方を持つようになったのです。
そして物事の捉え方はあなたの経験がもとになっています。どのような経験をしたとしてもそこに良い悪いはありませんよね。
そのようなわけで、誰かを嫌うも嫌わないも要はあなたの経験がそうさせていると言えるので、あなたの感じ方が良いとか悪いはないのです。
あなたが経験してきたことを思えば、そう感じること(嫌いだと思うなど)は当たり前だし仕方がないよねと言えるのです。
少し面倒くさい説明になりましたが、
要はあなたは、その人を嫌ってもいいのです。
嫌っちゃって下さい。
それほど私たちは誰かを嫌うことで、自分を責めているのかもしれません。
もうそんなに自分を責める必要はないのです。
嫌いな人は嫌いなんです。
ただし嫌ってもいいけれど、嫌いな気持ちを持ち続けるにはパワーが必要です。
嫌いなままだと本当に疲れます。
だからそのまま嫌いで居続けるのか、嫌いな気持ちを手放すのか、あなたが決めればいいのです。
こんなことを言うと、ずいぶん冷たいじゃないの、と思われるかもしれませんが、
誰かを嫌いでいたいという人に、ぜったいに嫌いな気持ちをやめなさい!と言いたい思いは私にはありません。
先ほど誰かを嫌うも嫌わないもあなた次第と言いましたが、嫌いだと思うとき、それはあなたの性格が悪いなどということも一切ありません。
嫌いになる何かしらの理由があなたの心にあるだけなのです。
だからそれを取り除けばいいと考えることができます。
まずは誰かを嫌っている気がするけれどまだそれを認めていないとしたら、
私は誰それさんのことが嫌いだと、自分の感情を受け止めてあげることからスタートしてみませんか?
どんな感情も感じてはいけないものはありません。
どんな感情も感じてみて、いらないものがあれば積極的に手放せるようにしていきましょう。
私もそうでしたが、感情を感じるというのは実は怖いしビクビクしながら勇気を必要とします。
でも感じようとして一歩前に出てみると、それだけでスーッと軽くなったりもするのです。
慣れれば、どんな感情も感じていい自分は、そのままでいいのだと思えますから、自分自身を正当に認めてあげる力(自己肯定感と言ったりもします)がついて、どんどん成長する実感を得られると私は思っています。
あなたはどんな感情も感じていいのです。
あなたは今なにを感じていますか?
良い悪い、正しい間違っているという判断を脇に置いて、一度感じてみようと思ってみてくださいね。