カウンセリングサービスの帆南尚美です。
ブログにお越し下さり、どうもありがとうございます。
年度末も迫り、会社勤めの方は社内異動の話がポロポロと出てくる頃ですね。
異動といえば、上司やら人事やらが、なにやらコソコソと決めて、本人には直前になるまで内緒、という職場もあれば、
1、2ヶ月も事前に本人に知らされるところもあります。
当たり前のように次のポジションを指定される場合もあるし、社内で転職活動のようなものをして自分で空きポジションを見つけて応募する必要がある、という仕組みの職場もあるようです。
どのような場合であっても、人事情報というのは大抵においてマル秘扱いで、関係する人の間だけで話されることが多いのではないでしょうか。
確実に決まるまでは、公にしてしまうと多くの支障が考えられるからかもしれません。
ところが、秘密の情報は噂話の恰好のターゲットになったりもします。
せっかく内内で話していた会話が、いつのまにか人の間に広まっていて、それを聞きつけた比較的仲の良い人から「こんなこと聞いたんだけど本当?」なんて言われて、言葉に窮したということ、経験された人もいるかもしれません。
私自身の経験ですけれど、まさに人事異動の情報がダダ漏れのことがありました。
まだ異動すると具体的に決まったわけでもないのに、異動するんだって?と隣の部署の人から言われたのでした。
何で知ってるの?
いや、自分の上司から聞いたから。
あ、そうか、私が異動したとしたら、隣の部署の人の仕事に影響があると思って、私の上司が良かれと思って隣の部署の上司に伝えたんだな、と私は思いました。
上司がそうしたこと自体は、業務を考えれば間違ってないのだろうなと思ったのですが、なんだかスッキリしない、というか、ムカムカしました。
私は何に怒っていたのか、よく分からなかったんですよね。
上司は悪いことはしていないし、
隣の部署の上司も悪気はなく部下に伝えたのでしょう、
それを私に言ってきた同僚も、どちらかといえば私を心配してきてくれたし、
私、誰に、または、何に怒っているんだろう?
◇怒りは感情の蓋
心理学では、怒りは感情の蓋、なんていう言い方もします。
あなたが感じたくない感情に、蓋をしているのだそうです。
そして、その感じたくない感情を感じそうになったときに、押さえつけられている感情が、蓋を押しやりカタカタカタと揺れ動く感じ、そう沸騰しているヤカンの蓋が揺れている様子、その蓋に怒りは例えられたりします。
だからムカムカする本当の理由は、誰かとか何かではなかったりするようです。その蓋の下にある沸騰している感情、見たくない感情、触れられたくない感情、そんなところに意外な理由があるようなんです。
◇私を大切にして欲しいし、愛して欲しい
そのようなわけで話は戻りますが、当時、私の人事情報が勝手に広まっていたということに不満を感じていたわけなのですが、責めたい相手がいるわけでもなく、誰にこの気持ちをぶつけたいのかが不明でモヤモヤしていました。
私はその頃は、怒るためには相手が必要だ、くらいに思っていたのだと思います。
いま思えば、実は私が蓋をしていた感情があったということで、
それは「私自身を誠実に大切にしてもらいたい」ということだったのかなと私は思っています。
私の人事情報をそんなに簡単に扱ってほしくなかった、だってそれって私自身を軽く扱われたように思ったから。
もっと私を大切にしてほしかったんだよ〜!という心の叫びだったような気がします。
でもそんなことを思うのは子どもじみていてバカみたい、と無自覚に蓋で抑えていたので、心の叫びは収まらず、しばらくはプンプンと怒りながら出社していたことを思い出します。
何かに怒っているとき、実は、「私を大切にして欲しい、愛して欲しい」という気持ち、そして「そうしてもらえず超ショック」という気持ちが刺激されていることは多いのかもしれません。そして、それをもし自分で認めることができたとしたら、ずいぶん楽になるのではないかと私は思います。
私も今であれば、「あらやだ私ったらもっと私を大切にして欲しい、ひいては愛して欲しいから怒ってるのね〜」と自分の心に寄り添うこともできるだろうし、「そもそも人事情報が出回ったくらいで、自分は大切にされなかったと感じるのは間違いだわ」と、思うこともできるかもしれません。
なにか頭にくることがあったときの参考になれば幸いです~