こんにちは。
カウンセリングサービスの帆南尚美です。
いつもありがとうございます。
年末年始にご実家に帰っているという方も多いかもしれませんが、帰ったところでお母さんが苦手なので憂鬱だとおっしゃる方は、とても多いです。
実家を出てせいせいし、ほぼ家に寄り付かないという方もいらっしゃいますが、
苦手だけれど、それでも普段からよくお母さんと会ったり電話をしているという方もいらっしゃいます。
お母さんのことは、なぜ苦手なのかと聞けば、
口うるさいからとか、過干渉、愚痴ばかりなど、色んな不満があがりますよね。
自分の感情に耳を澄ましてみる
お母さんが苦手だと思うとき、
お母さんが嫌いですとハッキリ言える方はあまり多くないかもしれません。
自分がお母さんを嫌っているなんて、認めたくないですよね。
お母さんに限らず、誰かを嫌っている自分なんて嫌だと思うかもしれません。
本当は嫌いたくないという思いもあるかもしれません。
子どものころはお母さんを好きだったかもしれないし、どんなお母さんでも我慢できたかもしれないけれど、
大人になったらもう我慢できない・・・と感じているとしたら、お母さんに申し訳ないような気もするかもしれません。
とはいえ、私たちに感じてはいけない感情はありますでしょうか。
おそらく、ないと思うのです。
私たちは何を感じても自由です。
ただ、感じてはいけないと思うと、嫌いだと感じている自分に何も対処ができないので、気分がしんどいままかもしれません。
今はお母さんのことが好きになれない。
これだけのことを認識するのも勇気がいることですが、これができると少しホッとするかもしれません。
本当は感じているのに感じてはいけないと自分に禁止しているとしたら、私たちが、自分の心が泣き叫んでいるのを知っていながら、無視しているようなものかもしれません。
心が泣いて、助けてと叫んでいるのに、自分が知らん顔をしていたらどうでしょうか。
他人じゃなくて自分にさえ分かってもらえないあなたの心は、本当にひとりぼっちで悲しんでいませんか。
だから耳を澄まして聞いてあげてもらえませんか。あなたが本当は何を今思っているのかを。それを聞いてあげられるのは、あなたなのですから。
なぜお母さんは、ああなの?
それにしても、なぜお母さんはああなのか、分からないと思う方も多いかもしれません。
お母さんのここが嫌い!と思うとき、
そのまったく反対の、こんなお母さんになってよ!という思いが隠れていませんか。
過干渉のお母さんだとしたら、
私のことをそのまま受け入れて、私がやりたいことを、自由にやってみれば?と言ってくれるお母さんになってよ!とか。
いつも周りの人とうまくやれずに愚痴ばかりのお母さんだとしたら、
人と仲良くやれる、幸せそうな顔のお母さんになってよ!とか。
いつもお母さんに「そうなってほしい」と願っているのに、なぜお母さんはそうなってくれないんでしょうか。
ひとつ言えることは、
あなたが「こうであったらいいのに」というお母さんはきっと素晴らしいお母さん像ですが、お母さんにとってあなたが望むようなお母さんになることは、「お母さんの生き方ではない」のかもしれません。
そうしたくない、かもしれないし、
そうしたくてもできない、かもしれません。
お母さんを残念な人として扱うのではなくて、そのままのお母さんをひとりの人として、尊重してあげてもいいかもしれません。
私ならできるのに
お母さんに望んでいることは、それほどたいしたことではないし、私ならできるのになぜお母さんはできないの?と思うことがありませんか?
あるいは他人にはいい顔をできるのに、家の中ではひどい態度だとしたら、
お母さんは私のことをどうでもいいと思っているの?などと思うかもしれません。
私だったらできるのに。
私だったら他人も家族もみんなを平等に扱えるのに。
私だったら・・・。
そう思うときに、私たちはつい、私もお母さんも同じことができるはずだ、という前提でものごとを考えていることがあります。
あなたが子どもの頃は、お母さんをスーパーウーマンのように思っていたかもしれません。あなたが成長し、お母さんに追いついたと思っているかもしれません。
ところが、お母さんができない点が見えているとしたら、その点においてあなたはすでにお母さんを追い越しているということではないでしょうか。
「こうしたらいい」という解決策が見えていて、かつ自分ならそれができるということは、お母さんよりすごいと思いませんか?
スマホやパソコンの使い方ならば、お母さんより私のほうができると思うのはたやすいかもしれません。パソコンを前にして頭をひねっているお母さんを見たら、あなたは「しょうがないな~。ちょっとやってあげるわよ。」と言うかもしれません。なんでこんなことも分からないの?はやくやってよ!と思ったとしても、言っても仕方がないし、お母さんはできないのだから、やってあげようと思うかもしれません。
人としてのふるまいや、物事の考え方なども、すでにあなたのほうがお母さんを上回っているとしたら、あなたのほうが上手にできるとしたら、あなたはお母さんになんと言ってあげるでしょうか?
私たちは自分の成長を認めることが苦手かもしれません。
いまだに何もできない子どものようだと思うと、文句が言いたくなるようです。
すでに成長しているのだと気づいたときに、ようやくあなたは周りの人に対して、どうやって大切にしてあげようかという思いを、持てるようになるのかもしれません。¥