いつも同じ愚痴を繰り返す母にイライラする代わりにできること

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私の母は87歳で、もうすぐ90歳になる父と、私の兄と3人で暮らしています。
時折私は母と電話で話すのですが、いつも話の後半は、兄に対する母の愚痴を聞くことになります。
兄は結婚せず、定職に就かず、母としては「生活力がない」というのが悩みだそうで、いい歳になっても生活費を親まかせの兄について、この先自分たち(母と父のこと)が死んだらどうやって生きていくつもりなのか、というのが兄に対する文句であり、私にそれを延々と話すのです。
最初は話を聞いていた私も、いつも同じ愚痴を聞くのは楽しくなく、
段々とイライラしてきて、もうこれ以上聞いていられない!と思うのです。
もうしばらく電話をかけるのはやめておこうと思うこともよくありました。
たしかに兄には金銭的な蓄えもないので、両親からのサポートがなくなったらこの先大変かもしれないな、という思いは私にもありますが、それを母や私がとやかく言ったところで何も変わらないのです。
きっと兄は兄なりの考えで、将来は自分の生活をなんとかするんじゃないかと信頼するしかないのですが、母はどうしても信頼ではなく心配してしまうんですよね。
母は、歳をとっても自分の息子であるわけだから心配しているのだ、と強調しますが、信頼は人のため、心配は自分のため、などと言いますので、母にはそうしないとならない理由があるのだろうと私は思っています。
とはいえ、母が愚痴を言ってくることは面倒ではありますが、私にとって本当の問題はそこではありません。
母が愚痴を言うことが問題であれば、母が変わってくれない限り、私のイライラは解消しないことになってしまいます。
人は変えることができませんので、自分の問題を解決するには自分を変える必要があるのです。
母がどうのこうのではなく、私が母の愚痴に反応してイライラしてしまうのが問題なのです。
私は、私にとって母が愚痴を言うことで、何が辛いのか、どうなってくれたらいいと思っているのか考えました。
まずは、母が幸せでないことが辛いんだということに行き当たりました。
私は母に毎日気分良く過ごしてほしいのです。
でも愚痴を言う時の母は全く幸せそうではないのが、私にとって辛いんですよね。
その後、母の愚痴を聞いて嫌な気分になるたびに、これは私が母を愛しているからこそ感じることなんだな、と思い、母が幸せでありますようにと祈りました。
でも、それでも愚痴は止まらないし、やはり嫌な気持ちにもなってしまいます。
私は母が兄の愚痴を言うたびに、兄という人を全面的に否定しているような、人として認めてあげていないような気がするのがとても嫌だと思っていることに、ようやく気づいたんです。
兄はとても優しくて、思いやりがあって、責任感が強くて、本当にいい人なんです。
にもかかわらず、母が兄のイケテナイ点ばかりを指摘するのが私をイラつかせるのでした。
私は自分に聞いてみました。
母にどうなってほしいのか?
私は母が、人には良いところと悪いところと両方あるけれども、全てをひっくるめてその人なのだから、兄のことも全てをひっくるめて愛してあげてほしいと思っているんだな、と思いました。
さて心理学では、他人にして欲しいと思うことは、自分がやるべきことと言われています。
心のしくみの投影からきているものです。
私は母に、良いところも悪いところもひっくるめて兄を愛してほしいと思ったのですが、つまり私が、良いところも悪いところもひっくるめて母を愛する必要があると考えることもできるのです。
母のイケテナイ点(愚痴ばかり言うこと)ばかり指摘して母にはウンザリだ!と私が言うのは、母が兄の生活力の無さばかり指摘して文句ばかり言っているのと同じなのです。
愚痴も言っちゃうけど、良いところもいっぱいある母を、全てひっくるめて愛することを、私がやってもいいわけです。
私は母を全部ひっくるめて愛したいと思いました。。。。が、そう簡単にはできません。
愛そうとして、愛そうとして、
それでも全てを愛するのって難しいな、と思うのです。そして、ようやく分かったことがあります。
同じように母も、兄の全てを愛したいのかもしれない、
愛したいけど愛せないから、愚痴を言いたくなっちゃうのかな、と。
相手ができていないことを責めるのは簡単なのですが、
実は同じことを自分がやっていることに私たちはなかなか気づきません。人にはできていないことを責める一方で、自分もやってた!なんてことは、よくあることです。
母の全てを愛そうと思うけど難しいなぁ、と気づいてからというもの、実は母の愚痴もそれほど気にならなくなったんですよね。
私ができないのと同じように、母もできないんだな、と思うのです。
母にめくじらを立てる代わりに、そんなふうに思っちゃうこともあるよね〜と、思えるようになったのでした。
とはいえ母と電話するときは、微妙に兄の話題を避けて、愚痴が始まる前に電話を切るワザも身につけつつあるのでした。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
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