いつも人に恵まれていると思っている人たちは、これを無意識にやっているのではないでしょうか。
好意を示すコミュニケーション
人と人が必ず関わる職場において、どのような相手であれ、円滑なコミュニケーションは大切ですよね。
職場でのコミュニケーションには、上司や仲間たちへの報連相(報告・連絡・相談)が重要なことは知られていますが、それ以外にも雑談(おしゃべり)も仕事を円滑に進めるための人間関係作りには欠かせないものと言えるのではないでしょうか。
私たちは、知らないものを怖がり、避け、嫌うものですが、反対によく知っているものには親密感を覚えるものだからです。
ところが、仕事の話であれば難なくできる人も、世間話などの雑談になると苦手意識を持つ方が多くいらっしゃいます。
その理由はさまざまですが、そもそも何をしゃべればいいのか話題に困る場合や、職場の人に自分のことを知られたくないなどがあげられるかもしれません。
ところが、そのような場合も、ぜひやってみていただきたいものがあります。
それは「好意を示すコミュニケーション」です。
好意の返報性と言われますが、人は好意を受けると好意で返そうとします。
そして誰にとっても世界共通の好意の示し方は、挨拶と笑顔ではないでしょうか。
どんなにおしゃべりが苦手でも、挨拶はできますよね。
挨拶は最も簡単で効果の高い好意の示し方と言えるのではないでしょうか。
そして無理のない範囲で笑顔でいることもまた、好意を簡単に示すことができるものです。
笑顔でいることは、皆さんが相手に媚びへつらうことではありません。
私たちは誰もが優しい笑顔の人が大好きです。
なぜなら私たちは誰しも相手に好かれたいし、好かれるかどうか不安なのです。
自分を受け入れてもらっている、許されている、好意を持たれていると感じる笑顔は、力強い「好意を示すコミュニケーション」と言えるのではないでしょうか。
ほんの少し親切にする
職場の人づきあいに欠かせないことの一つに、誰かが困っているときに、ほんの少し親切にしてあげるということがあります。
ほんの少し、というところがミソで、たとえばペンをどこかに置き忘れてしまったという人に、「これでよければどうぞ」と言ってサッと自分のペンを差し出すとか、大事なメールを誤って捨ててしまった人がいたら、「私はまだ持っているので転送しましょうか?」と申し出るとか、そのくらいのものでいいのです。
ちょっとした気遣いがあれば誰にでもできるものではありますが、人づきあいに苦手意識がある人はこれをしないことが多いようです。
理由は、自分が気遣うことで、かえって他人の迷惑になってしまう気がして、なるべく余計なことをしないほうがいいという考えに陥っていることがあるからかもしれません。
人は誰しも親切にしてもらうことが大好きです。
それと同時に、人は誰しも親切にしてあげることも大好きです。
人とあなた自身がともに良い気分になれるよう、あなたの親切心を閉じ込めてしまわないようにしてみてくださいね。
少しだけ気にかける
職場というのは仕事をするところではあります。
ところが人と人が集まる場において、100%仕事のみでしか人と関わらないとき、私たちはその人を「ちょっと冷たい」と感じることがあるようです。
理由は、「あなたとは仕事でしか関わりたくない」と(事実はそうでなくても)相手のことを拒絶しているように感じられるからかもしれません。
プライベートに入り込む必要はありませんが、たとえば誰かが体調が悪いとか、お子さんなどのご家族に何か心配事がある、などという話を耳にしたときは「大丈夫ですか?」とか「心配ですね。」「お大事になさってください。」のような、心に寄り添うひと声をかけるだけで、人はあなたを温かな人だと思い、そのように扱ってくれるでしょう。
人に恵まれた職場を作るための方法をご紹介しましたが、いずれも簡単で、すぐにできるものばかりです。
そして、これらは単なる人づきあいのコツではなく、心理学の「投影」という心のしくみを利用したものです。
みなさんが職場の人たちに好意を示し、親切にし、やさしく寄り添うと、私たちの心はそれを鏡に映すかのように、周りの人たちも自分に好意があり、親切で寄り添ってくれる人たちのように思えるものです。(これを投影といいます。)
人が優しく親切で自分に好意を持ってくれていると感じるとき、私たちは不要な緊張をすることもなく、穏やかに過ごすことができるのではないでしょうか。
人に恵まれた職場を作るのは、日々のちょっとした積み重ねといえるのかもしれません。