パートナーと上手くいかなくなるとき、目には見えない心の距離を、私たちは敏感に感じ取るものかもしれません。
心の距離を感じはじめるとき
たとえばいつもだったら、私のおしゃべりを彼は優しい笑顔で聞いてくれるのに、
迷惑そうな表情をされた。
たとえばいつもだったら、自然に彼の体に私が手をまわしていたのに、
少しだけ私の手を彼が避けた気がした。
え?どうして?
なにか悪いことを言ったかしら。
それとも私のことをもう好きじゃないの?
そう思っても、何も言えずに気づかないふりをしてしまうことってありませんか?
何も言えないけど、あのときの彼の表情や態度が何度も頭をよぎって、
もう私を好きじゃないのかな。嫌いになったのかな。まさか他に好きな人ができたのかな、なんて思って、そのたびに不安になってしまうことも。
これからどうなるんだろうと思っても、そうとは言えず、ただ一人で沈んだ気持ちでいるかもしれません。
彼から別れ話を切り出されるかもしれないと思うと怖いし、
いまだに何とも言ってこない彼が不思議だし。
そして彼と会うときは、以前より遠くなった心の距離を感じながら、悲しい気持ちに気づかれないように、ちょっと遠慮ぎみによそよそしくなってしまうかもしれません。
心の距離を感じる理由
相手の様子が普段と違って見えて、しかも自分に対して多少なりともネガティブな思いを持っているように感じたときに、あなたは一歩退いて彼との間に安全な心の距離を確保しようとする人でしょうか。
たとえば
今までは他愛無いおしゃべりをしていたけれど、無難な話題を選んでおとなしくしてみたり。
自分から手をつないだり、甘えたりするのを控えてみたり。
大きな口を開けてゲラゲラ笑っていたのを、遠慮してみたり。
もしそうだとしたら、あなたはなぜそのように一歩退くのかを考えたことがありますか?
あなたが遠慮をして彼との間に距離をとるとき、こんな私はもう近づいてはいけない気がするかもしれませんが、その裏ではもしかして、相手の方を尊重し大切にしたいなんて感じていないでしょうか。
私のことをよく思っていないのかもしれないとか、もう好きじゃないかもしれない。
そう思うと悲しいし、認めたくないくらい嫌だけれど、そんなふうに思っているその相手のことでさえ大切にしたいと感じているかもしれません。
それほどあなたは人を大切にできる人だし、人を大切にしたい人なんだと思うんです。
でも一方で、それほど人を大切にする人って、忘れがちなことがあるんです。なんだと思いますか?
それは相手から一歩退くことで、本当に相手を大切にできていますか?ということなんです。
私たちは、「これが相手を大切にする方法だ」というのを、幼い頃から自分なりに試行錯誤して学んでいますよね。親やきょうだいなどとの関係から学ぶことが多いかもしれません。
遠慮したり、相手から自分が一歩引くことが相手のためになると思っているときに、本当にそうなのか?という視点が抜けてしまうことがあるのです。
たとえば、相手が嫌そうな顔をしたからという理由で近づかないようにすることで、実は相手が寂しい思いをしているなんて想像していなかったりしませんか。
そもそも嫌そうな顔をしたと思ったのは、なにかの誤解であったかもしれないですし。
誰でも寂しい思いをするのは嫌ですから、あなたがやっているように、相手からも同様に距離を置かれてしまうかもしれません。
心の距離に悩む人によくみられる特徴
彼の表情や態度で、「きっとこう思っているだろう」などと思うことが多いとしたら、あなたは相手の顔色を読むのが得意かもしれません。
その人の気持ちを読み取ったら、なるべく意に添うように行動しようとする、とてもやさしい人ではないでしょうか。
でも、相手に対して持っているやさしさや、ときに不安などを感じたとしても、それをその相手には言葉では伝えることをせずに自分ひとりで抱えてしまうことが多いかもしれません。
相手のことを思いやる一方で、自分が何を感じてどうしたいのか、というような自分の気持ちを置いてきぼりにしてしまいやすいかもしれません。
心の距離が遠くなってきたときにできること
心理学界隈では、人と人との関係において、「分離が問題を作り、親密感は全てを癒す」と言われています。
大事な人の様子が今までと違うと気づいたときに、相手を大切にしようとしてその人から離れるのではなく、逆に相手に一歩近づいてみることかもしれません。
それは、「今日はいつもと様子が違うけれど、何かあったの?」とひとこと聞くだけでもいいかもしれません。
一歩引くという愛し方をしてきた人にとって、一歩近づくことは失礼なことではないかと感じるかもしれませんし、
自信がないからできないと、思うかもしれません。
でも、そんなチャレンジを勇気をもってやってみることが、実は相手を大切にするということかもしれませんね。
世の中には相手から離れるという愛の表現をしたらいいケースが全く無いわけではありませんが、目の前のパートナーとの関係継続を望むのであれば、問題が起きたときこそ、彼に一歩近づいてから何ができるか考えてみてもいいのではないでしょうか。こんな↓↓↓記事も書いています。よろしければご覧くださいませ。