ただ仲良くいたいだけなのに:思い通りにならない彼

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お付き合いが始まってすぐのラブラブなときは、誰もが楽しく嬉しい日々を過ごすかもしれませんが、

その後もずっと彼と一緒に生活をするとなれば、あのキラキラ感はどこへ行ってしまったのだろうと思うこともあるのではないでしょうか。
なんでそうなの?
外出するときはとてもオシャレだけれど、うちの中ではヨレヨレの古くなったTシャツと下着のパンツ。
せっかく美味しくできたと思った夕飯も、テレビを観ながら無言で完食。
今日こんなことがあってね、と話をふっても、ふ~~ん、と気のない返事。
なにこれ!全然楽しくないんだけど!
家にいるときでも、スエットのパンツくらいはいてよ!
料理は美味しいとか口に合わないとか感想を言って!
私の話には興味をもって聞いているという顔をして!
すると「うん、わかった。」と言って、その通りにしてくれる彼。
ジャージのズボンをはき、ひとくち食べたおかずに、「おいしいよ。」と棒読みのひと言。
今日道端でこんな人を見かけたよ、と言ったら、目を大きく開いて「そうなんだ!!」という大袈裟な反応。
なんてわざとらしい!
やってと言ったことをそのままやってくれたからといって、全然嬉しくない。
まったく、何を考えているのかしら、この人は。
もっとここが、こうだったら。
もっとあの態度が、こう直ったら。
私ももっと愛想よくなれるし、機嫌が悪くならなくて、心安らかな日々を送れるのに。
数日たてば、またパンツ一丁。無口な彼に元通り。
あーあ、なんでこうなんだろう。

私の本当の望み
あるとき私は、夫に直してほしいことを一覧にまとめて彼に叩きつけてやろうと思いました。
朝起きたら「おはよう」を言って。
食事が済んだら食器をシンクに運んで。
帰宅する前には何時に帰るか連絡して。
週末は部屋を片付けて。
次から次へと出てきました。彼にやってほしいこと。
でも、ふと思ったんです。
これらをもし彼が全部やってくれたら、私は嬉しいのかな?
そんなふうに、私の思い通りに動いてくれる彼を、私は好きなのかな?
なんだかそんな彼は、私が好きな彼とは別人のように思いました。
突然ですが、私はお花の中ではヒマワリが大好きです。
でも、ヒマワリの葉っぱは、大きくてあまり好きではないです。
私は観葉植物のアイビーの葉っぱが大好きです。
だからヒマワリに、アイビーの葉っぱをつけてくれないかな、とお願いしているようなことを
夫に言っているような気がしました。
ヒマワリの花とアイビーの葉っぱがひとつになれば、私の好きなものが完成するはず。
でもそれは、もはやヒマワリでもアイビーでもなく、ただの変な植物ですよね。
私は彼の色々な特徴を、私の好みに変えようとしていて、彼の持ち味を消そうとしていたのかなと思いました。
私がしたいのは、そんなことじゃないなと思いました。
彼には彼の持ち味があって、それを尊重したいし愛したい。
でも一緒にいると、好きでないところが目に付いて、イライラしたり楽しくないから、
それをなんとかしたいだけなんだ。
彼そのものを変えたいわけじゃなくて、私は彼と一緒にいる時間を喜びにしたいだけ。
だとしたら、嫌だなとかダメだなと思うところにばかり目が行く私って何なんだろうと思いました。
良くないところなんて、誰でも持っているし、
そもそもそれが良くないかどうかは、私の判断でしかないわけで、
彼にとっては、フツウのことだったりするわけです。
そういうことは私にももちろんあって、
彼は私に文句を言わないけれど、
家にいるときは、やっぱりヨレヨレのTシャツを着て、
ノーメイクで髪もボサボサ。
余程のことがない限りたいして笑顔もない。
そんな私に、家にいるときでもきちんとした身なりにしろよ、とか、
いつもニコニコしていろよ、なんて言われたら、
それこそ逆切れすると思うんです。
文句言わないでよ!これが私なんだから!って。
家にいるときくらい、素の私でいさせてよ。
このままの私を愛してよ。
彼はそう言わないけれど、本当は言いたいのかもしれないなと思いました。
このままの俺を愛してよ。
なのに、私が何かを指摘したら、ちょっとだけでも変えようとしてくれた夫が、(実際は変わらなかったけれど)なんだか愛おしくなりました。
そのままの彼を愛したいし、そんなことができる自分になりたい。
それが私の願いなのかもしれないなと思いました。

自分の中のルールを超えて、人を尊敬し愛する
心理学を学んでいると、「観念」という言葉をよく目にします。
ああすべき、こうすべき、ここが嫌だ、あそこがダメだ。
それらは全部、自分の中のルールであって、そのルールに合わない人やものを、
イケてないとか悪いだとか判断してしまいますが、
そもそもそのルールって、必要なの?とか、大切なの?とか、人にやさしいの?とか、
ちょっと疑問に思って見なおしてみると、
実はたいして重要ではないものだったりすることが私には多いように思います。
家の中でパンツ一丁でうろうろしている夫にイライラしていたけれど、
なんでそれはダメなんだっけ?
何が悪いんだろう?
べつに悪くないか。
そんなふうに思ってみると、彼のやっていることは、悪いことなんて何もないんじゃないのかなと思うようになりました
私のルールと違うだけ。
そのことに納得できるまでだいぶ時間はかかったけれど、そう思えると楽ですね。
もう減点方式で彼を見る必要がないので、
彼のいいところ、おもしろいところ、やさしいところ、素敵なところ、尊敬できるところを、
もっともっと深く知りたいなぁと思う今日このごろ。
私の持っている小さなルールブックでは網羅できないことが、私以外の人はたくさん持っていて、
それは夫も例外ではなく、
こんなことを考える人がいるのか、とか、
こんなふうに人を愛する方法があるのか、とか、
驚きと喜びをもって毎日いろいろと教えてもらうことが、
パートナーと暮らすことであり、
一歩家から外に出れば、人と交わることだったりするのかな、と思っています。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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