彼に会いたくて会いたくて、「でもやっぱり今はやめたほうがいいよね
新型コロナウイルス感染拡大防止のためのステイホーム期間。
自分のためというより、もし私が知らない間に感染していたら、大事な彼に迷惑がかかる。
そんなふうに思ってデートを我慢していたここ数週間。
久しぶりに彼と会えることに。
朝からテンション上がっているからかお肌のつやもいいみたい。
会ったら何を話そうかな。あー早く彼の顔が見たい。
玄関のチャイムが鳴った!
ドアを開けると、彼のまぶしい笑顔。元気そうでよかった!
お互いに近況報告をして、イチャイチャして、会えなかった時間をうめようとしている感覚。
すてきだ!楽しすぎる!嬉しすぎる!
と思いきや、
あれ?テレビみるの?
「見たい番組があってさ~。」と彼。
まぁいいけど
「じゃあ一緒にみようか。」
お笑い番組を見て爆笑している彼。
なんだかちょっと、夢見ていた彼との時間と違うな。
ついでにさっきからスマホいじってるし。
誰かからLINEきてるの?いま返事しないといけないの?
そんなこと聞けないか。
気になるけど、放っておこう。
楽しかったのは最初の1時間くらい。そのあとずっと、不満がたまってくる。
我慢も限界に達したとき、ついに口から出た言葉は、自分で聞いても怒っているような低い声。
「ねぇ、もっと話したいんだけど。」
彼「え?なにを?」
「なにをって、せっかく会えたんだから、もっと楽しみたいの。」
彼「僕は、、楽しいけど、、、、。」
「え?楽しいの?テレビばかりみていて、楽しいの?」
彼「楽しいけど。」
「私は楽しくない!」
彼「そうなんだ・・・・・じゃあ君はどうしたら楽しいの?」
「え・・・わからないの?」
彼「・・・・ごめん。わからない。」
「それに、さっきからスマホばっかりいじってさ。」
彼「・・・・ごめん。スマホいじったらいけなかった?」
「そうじゃないけど、おかしいじゃない。私と会ってるときにさ。」
彼「そうなの?」
「そうだよ!なんでそんなことも分からないの?」
・・・不穏な空気・・・。
そして彼から、
「君は僕と一緒にいても楽しくなさそうだね。」
え、そんなことを言いたかったんじゃなくて・・・えーと、えーと、、、、
そのまま黙ること1時間。
テレビから聞こえる笑い声が妙にむなしい・・。
突然、「今日は帰るね。」と彼。
やっぱりそうなるよね、と思いながら、
「うん。」
「なんだか、邪魔しちゃったみたいで悪かったね。」
え?そんなことないんだけど。ってゆーか、もっと楽しみたかったんだけど。
声にならない気持ち。
彼の表情が曇っているのはわかるけど、どうすればいいかわからない。
「じゃあね。」
バイバイのキスもなく、彼が出ていく。
玄関のドアがパタリと閉まった途端、涙がポロリと落ちた。
こんなはずじゃなかった。
久しぶりにいっぱい彼と楽しみたかったのに。
それを伝えたかったはずだったのに。
なんでこうなっちゃうんだろう。
なんでわかってもらえないんだろう。
※ここまでの会話は、わたくし帆南の経験にもとづいたフィクションです。あしからず。
久しぶりに会えた彼。嬉しくてうれしくて、一緒の時間をどう過ごそうかと色々妄想しますよね。
二人でソファに座って、見つめ合いながら愛を語ることだったかもしれないし、
会えなかった期間のことをあれこれともっともっとお互いに話すことだったかもしれません。
会えなかったときにはできなかった、将来を二人で考えることだったかもしれません。
でも実際は、彼はテレビにくぎ付け。
なんだか自分がないがしろにされたような、寂しいような、もう大切に思ってくれていないのかなという不安などもあったかもしれません。
普段は顔に出さないけれど、あなたは意外と情熱家さんだったりするからです。
愛情いっぱいで、彼をたくさん愛したいし、彼にもめいっぱい愛されたい。
でもそれをなんとか彼に分かって欲しくて、意を決して自分の気持ちを伝えた言葉が、
「私は楽しくない!」だったとしたら、
それは愛情表現として、伝わるでしょうか。
彼との会話に正解というものはありませんが、
大切に思っている人に対して、その気持ちがきちんと伝わるようになると、二人の関係ももっとラブラブになるのではないでしょうか。
愛情表現は、分かりやすいことが鉄則です。
確かに、
テレビばっかりみてないでよ!とか、
スマホを気にしているのは、なんかあやしい!などと、思ったことも確かだとは思います。
しかし、あなたがそう言いたくなったときに感じていたことと言えば、
もっと私に興味を持ってほしい、
ふたりの時間を大切にしてほしい、
だったかもしれません。
そして、なぜそういう気持ちになったのかというと、
彼のことが大好きだから、ですよね。
愛情表現というのは、どれだけ相手を大切に思っているか、大好きか、を伝えることだと思うのです。
「テレビばっかり見ているなんて!」
というのは、彼を責めているように取られそうですよね。
でも
「テレビばっかり見てさびしいよ~。もっとイチャイチャしたい。だって大好きなんだもん。」
なんて言うと、おーなるほど、と伝わるかもしれません。
「私と一緒にいるにも関わらず、スマホばかり見てるって、どーゆーこと?」
というのも、またまた責めていると思われるかもしれませんね。
でも
「スマホばかり見てると、他に気になる人がいるんじゃないかとすごく心配になっちゃうの。だって私はあなたのことばかり考えているから。あなたが大好きなんだもん。」
なんて言うと、あ、そうか、彼女に要らぬ心配をさせてしまったな、と伝わるかもしれません。
まぁ「だって大好きなんだもん。」という言い方は好きずきがあるかと思いますので、アレンジはみなさまにお任せしますね。
たとえ相手を責めたい気持ちになったとしても、あなたがそう思った本当の理由を考えてみていただきたいのです。
それがもし彼を愛しているとか、大切に思っている、ということだとしたら、ぜひそれを伝えてみてくださいね。
この愛情表現はついつい省略してしまいたくなるようで、(そりゃ、恥ずかしいですからね。)本当のあなたの気持ちが伝わらなくて、うまくいかないな~と思うかもしれません。
恥ずかしがりやの情熱家さんは、内に秘めた愛情がいっぱいなのですが、それをうまく伝えられずに自爆してしまいがちです。
彼におこりたくなったとき、すねたくなったとき、いや、すでにそうしてしまったときはなおさら、その表現が愛情表現として相手に伝わっているのかなと考えてみていただきたいのです。
愛情表現は、言ってもらった相手が「ありがとう」と言いたくなるものなのです。
あなたの有り余るほどの想いが、きちんと彼に伝わるといいですね♪