必ずしも楽しいことばかりではないとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。
よく聞く話に、既婚者の彼が自分の家族、たとえば奥さんとかお子さんの話をするのを聞くのが苦痛だというのがあります。
このあいだ家族でショッピングモールに買い物に行った話。
お子さんの春休みに奥さんの実家に遊びに行った話。
もちろん既婚者であると知ってお付き合いしているのだから、奥さんやお子さんがいることも知っているわけです。
でも、知っていることと、そういう話を聞きたいかは別ですよね。
大好きな彼のことは何でも知りたい気持ちがありつつも、無邪気に家族の話をする彼に、なんだかなぁと思うこともあるかもしれません。
葛藤していることが伝わらない
既婚の彼氏が家族の話をするのを聞くとき、あなたはこう思うかもしれません。
私はこんな話を聞きたくもないのに、なぜこの人は平気な顔をして家族の話をするんだろう。
そして少し考えてから、こう思うかもしれません。
きっとこの人は、それほどまでに私を信頼しているのかもしれない。
だから無防備に、家族の話をするのかもしれない。
だとしたら、私は、彼が分かって欲しいという期待にこたえてあげたい気もする。
あるいは、こう思うかもしれません。
ここでもし、私が「そんな話をしないで!」と怒ってしまったら、
私という存在が、彼が安心できる場でいられなくなるし、
そうしたら今の彼との関係も壊れてしまうかもしれない。
家族の話をしてもしなくても、彼が既婚者であることには変わりがないわけで、だとしたら彼が話したいと思っていることを制限しないほうがいいんじゃないか、それが彼に対する愛なんじゃないか、などと思うかもしれません。
そんなふうに、あなたが心の中で色んな葛藤をしていたとしても、
表向きには、あなたが平気な顔をして彼の話を聞いていることで、
彼は、本当はあなたがどう思っているのか、なかなか気づけない、ということもあるかもしれません。
あなたの気持ちに無神経な人
さて、彼が家族の話をして、そんな話を聞きたくもないとあなたが思うとき、
彼も無神経なところがあるのかもしれませんが、
もっともあなたの気持ちを軽く扱っているのは誰でしょうか。
彼の話を聞いて嫌な気分になっているのに、悲しい、聞きたくない、イラッとしているあなたの心の声を、きちんと聴いてあげようとしていないのは、
あなた自身であったりしませんか?
勝手に心が「我慢すること」を選んでいるといってもいいのかもしれません。
私たちは、大切な誰かを大切にするためには、我慢や忍耐が必要だと、無意識に信じていることがあります。
小さい頃から、それがあなたの愛し方だったことも考えられます。
本当は嫌なことなんだけど、それを我慢さえすれば、あの人が助かるはず。
あの人が救われるはず。
あの人が少し笑顔を取り戻してくれるはず。
あなたにとって、
愛することイコール我慢すること、
という方程式ができていると、
いつも恋愛が苦しいものになってしまうことがあるのです。
本当の愛がほしい
彼が既婚者だから仕方がない。
我慢しないと彼との関係が終わってしまうかもしれないから仕方がない。
そんなふうに、我慢すること、あきらめることを、
毎日毎日自分に課しているとき、
あなたの中にある悲しみと怒りは、放っておかれたまんまかもしれません。
感じることを許されていない感情は、
いつかあなたに感じてもらえるようになることを
今か今かと待っているかのように、
心の中でうずいているかもしれません。
そしてきっとあなたは、そういった悲しみや怒りがあることに薄々気づいているのかもしれないけれど、
我慢することが無意識に優先されてしまって、
どうしたらいいのかわからない、という状況かもしれません。
自分の悲しみや怒りなどに目を向けていいのだけれど、
それは慣れていないと怖いことと思えるかもしれませんね。
そんなときはただ、本当の愛がほしい・本当の親密感がほしい、とだけ、思っておくのもいいかもしれません。
どんな心持ちの恋愛がしたいかだけ、願っておくのです。
それだけで、一歩も二歩も、我慢や忍耐・悲しみや怒りから解放される日に近づくのかもしれません。