彼はなぜそうなの?という疑問ばかりになることについて

mikhail-vasilyev-NodtnCsLdTE-unsplash恋愛が長続きしないんです、とおっしゃる方は多いのですが、その理由はさまざまです。

最近よく耳にする言葉に、「自分で関係を壊してしまう」というのがあります。
せっかくお付き合いをすることになって、これからラブラブになると思っていたのに、急に不安をいっぱい感じて彼に当たったり、距離を取ったり、不安すぎて彼を束縛してしまったり。
彼から「もう無理」と言われることもあれば、自分で「もう無理」と思って別れを切り出すことも。どちらにしても、自分が関係を壊していると感じていることがあるようです。
今日は、お付き合いを始めると、彼の一挙手一投足が気になり、なぜ?で頭がいっぱいになってしまうことについて考えます。
私たちは普段から、目の前で起きたことの理由がわからなければ、なぜ?と思うものですよね。
それはデートであっても同じです。
なぜ先日のデートで、彼は5分遅刻したのに謝らなかったのか?
なぜ食事のときに、スマホばっかり見ていたのか?
なぜ私が割り勘しようと言ったら、そう?と言ってすぐにお金を受け取ったのか?
こういうのは、よくあることかもしれません。
自分が「こうあるべき」と思うことに反した行動を相手が取ると、なぜ?と思いますよね。
「5分だろうと遅刻は遅刻。遅刻してきたのに何も無かったかのように『じゃ、行こうか』とか言う彼って、どういう神経してるんだろう。」
と思うかもしれません。
「デートなのに食事中スマホばっかり。私と居てもつまらないのかな?それとも他にもっと興味のある女性がいるのかな?」とか。
あるいは、「お金を出したくないわけじゃないけど、初めてのデートならごちそうしてくれるものかと思ってた。実はお金が全然ない人なのかな。」
などと、彼のことをまだよく知らない分、色々と想像してしまうこともあり、だからこそなぜ?と思うかもしれません。
このあたりは、まぁそう思うこともあるよね、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ところが、なぜ?という気持ちが止まらないとき、こんなこともあります。
デートに5分遅刻しただけなのに、ものすごく謝っていた彼ってなぜ?
デート中全然スマホを見ない彼なんだけど、なぜ?
食事は全部僕が払うから気にしないでね、と言った彼は何を考えているの?とか。
遅刻を謝っていたなら、それでいいじゃないの?と思う方も多いかもしれませんし、
デート中スマホをあまり見ない彼は、あなたのことを大切にしてくれているわ、と思う人もいるかもしれません。
ごちそうしてくれる彼なんて最高じゃない!と思う方もいらっしゃるでしょう。
でも当の本人にとっては、なぜ彼はそうなの?と思うのです。
遅刻を謝っても謝らなくても、
スマホを見ても見なくても、おごってくれてもくれなくても。
5分の遅刻をあれほど謝るなんて、人にペコペコしてばかりいる人なんじゃないかしら。
スマホを見ないのは、のぞき見されると困ることがあるからなんじゃないかな。
全部おごってくれるなんて、女性の扱いに慣れている人なのかしら、とか。
愛してるよと言われたら、なぜこのタイミングなの?なぜこの場所なの?なぜわざわざそんなこと言うの?とか、
なぜが止まらないことがあったりします。
彼の言動ひとつひとつについて理由が知りたいというのは、理由そのものを知りたいばかりでなく、「わたし、大丈夫?」という不安があるのかもしれません。
彼が私のことを好きではない(大切に思っていない)から、そういう態度なんじゃないかな?
あるいは、一緒にいても自分が幸せになれそうもない、とんでもない人を、私が分かっていないだけないんじゃないかしら、とか。
自分がダメなのだとしたら、または彼がとんでもない男だったら、早めに知って、さっさと別れてしまいたい、などということもあるようです。
気分的にはだいぶ逃げ腰になっているかもしれません。
このような方。
実は、相手を愛したくて仕方のない方だと私は思うのです。
たくさん愛情を感じて、相手をクシャクシャになるくらい(犬などの顔をクシャクシャに可愛いがりまくる感じで)愛したいのだけど、こんな私が愛してもいいんでしょうか、と、ものすごく遠慮のかたまりになっているのではないでしょうか。
それほど、ものすごく傷ついて、愛したいように愛せず、愛されず、苦しんでこられたのではないかと私は思うのです。
相手の様子を観察して、今はお邪魔になるからやめておこうとか、あきらめたりして、ずっと自分を抑えていらしたのかもしれません。
自分の気持ちを抑えてあきらめることを続けているということは、自分(の感情)をどうでもいいもののように扱っていることと同じと言えるかもしれません。
どうでもいいと思ってきた自分のことを、素晴らしい自分だとは思えなくなるものです。
そうやって自分をあまり良いものと思えていないと、彼の言動は、「私のこと嫌い?どうでもいい?何とも思ってない?」のどれかだろうと思ってしまうことがあります。
でも実は、彼は「あなたのことが好きだから」ということが、とても多いものです。
彼の言動ひとつひとつに、「なぜ?」と問いかけることは、このまま彼を好きになっても傷つかないかしら?逃げた(別れた)ほうがいいのではないかしら?という、今まで慣れ親しんだ「あきらめる」とか「我慢する」「自分を抑える」ことに、再びゴーサインを出すきっかけを探しているようにも思えます。
恋愛の初期に、彼の言ったこと、やったこと、態度などに「なぜ?」と思ったときは、「彼はあなたが好きだから」または「好きだけどつい習慣でそうやっている」くらいの二択で考えてみるといいかもしれません。
また、その彼の言動があなたにとって嬉しいことなのか、イヤなのか、悲しいのか、についても考えてみてもいいかもしれません。
あなた自身の感情を丁寧に感じて、大切に扱ってあげると、少しずつ自分の存在が大切にされるべきものであると感じられるようになっていくのではないでしょうか。
自分は大切にされるべき存在で、彼はあなたが好き。だとしたら、あなたはどうしたいの?ということに考えが及ぶようになると、恋愛は逃げたりあきらめたりすることではなく、相手を愛することなんだと思えるでしょう。すると、どうやって愛そうかな、という前向きな恋愛ができるようになっていくのだと私は思っています。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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