お子さんはまだなんですか?という言葉に腹が立ったという話

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結婚したらすぐに子どもが欲しい!というカップルもいれば、子どもを持たないカップルもいます。
いつかは欲しいけれど今はまだ、という場合もあれば、子どもが欲しくても授からないこともあります。
結婚はしないけれど、子どもは欲しい、という場合もありますし、意図せずに授かるということもありますよね。

それぞれの事情があるけれど、結婚した後に「お子さんはまだなんですか?」と言われて腹が立った、という話を聞きました。

◇夫婦のやり方に口出しされた?!

その方は、結婚して数年たっているけれど、まだしばらくは夫婦二人で楽しもうね、とご夫婦で話しているそうです。
なので、「お子さんはまだなんですか?」と聞かれたら、「そうなんです。子どもはまだしばらくはいいと思っているんです。」と答えて終わり、と思いきや、奥様は非常に腹が立ったといいます。

結婚したからと言って誰もが子どもがすぐに欲しいわけじゃないのだし、いつ子どもを持とうが私たちの勝手なんだから、口出ししてくるなんてプライバシー侵害だと思い、それを言ってきた親戚のおじさんのことが大嫌いになった、とのことでした。

かつて結婚したら子どもをすぐにでも欲しいだろうと多くの人が思っていた時代であれば、結婚して少し時間がたてば、そろそろ?とか、まだ?などと聞くのも、世間的にはアリだったのかもしれません。

ところが人々の価値感が多様化した今ですから、挨拶代わりの「お子さんはまだ?」という言葉が、そのご夫婦の在り方にケチをつけたり土足で踏み込んだかのように取られることもあるかもしれません。

そして、そのご夫婦は子どもができれば自分たちの親も喜ぶのかもしれないという思いも頭の片隅にあり、「お子さんはまだ?」の意味が「早く親を安心させてあげなさい」というお節介な説教のようにも聞こえ、そんなことは分かっているからと余計にイラっとし、このおじさんは一生許すもんかと思ってしまったとのことです。

◇なぜそれほど頭にくるのか?

そりゃそういうことにイラっとすることもありますよね。
でもいいんです、いいんです。
特に子どもの頃に親が厳しくて、親の言う通りにしないとひどく怒られたなど、あまり自由度のない環境で幼少期を過ごされた方などは、当時の口うるさかった親を、親戚のおじさんとかぶせてしまうことがありますから(心理学でいうところの投影です)、あのおじさんもまた口うるさく言ってきて!という怒りを感じてしまうことがあるでしょう。

そして、どいつもこいつも私たち夫婦の思いを理解しようともしないで、古い考えを押し付けてくる、とか、私たちを狭苦しい世間体の型に合わせようとする、というように感じたとしてもおかしくありません。
だからそんなふうに思ってしまったこと自体を、悪く考える必要はないんですよ。

投影というのは、私たちが心の中の感情や過去の出来事を、相手に映し出すことをいいます。
目の前のおじさんに対して怒っているようで、実はかつて自分にひどく厳しく型にはめようとしていた親に怒っている感情を、おじさんを通して感じていると考えることもできるのです。

親戚のおじさんだけでなく、職場の上司や先輩、ご近所の地区会長さんとかリーダー的な奥さんとか、その他の、自分より目上だったり力があったり物知りだったりするような人たちもまた、うるさく自分を型にはめようとする感じがすることもあるかもしれません。

親に対して怒っている感情は、自分と親との関係を彷彿とさせる、目上の人に投影されることが多いんですよね。

しかし厳しかった親に怒っているといっても、子どもの頃は親が大好きで、なんとか親を助けたいとか笑顔になってほしい、なんて思って頑張りますからね。たくさん我慢したり努力したり気遣ったりしてきたのではないでしょうか。親が厳しく怖かったから従っただけと思うかもしれませんけど、たぶん元はといえば怖かったからだけではなくて、あなたの親に対する愛が深くて大好きだったからこそ親を喜ばせたかったんだろうなと私は思います。

親に対する怒りを持ち続けていると、親だけではなくて、その怒りをまったくの別人に投影し、そのたびにイヤな気分を感じるので疲れますし、嫌いな人がたくさん人生の中で登場するんですよね。
それも嫌なものですから、そういう場合は親に対する怒りの感情を癒す、ということを考えてもいいかもしれません。
心理学では許しと言われているもので、親を許すというより、そんな親でも許せる大きい愛の私になることを許す、というように言われたりもしています。

◇お子さんはまだ?の真意

そもそも、お子さんはまだ?と聞いてきた、そのおじさん。なぜそんなことを聞いてきたんでしょうかね。
そのおじさんって、お子さんがいらっしゃるそうなんです。だとしたらお子さんが可愛くて仕方ないのかな、なんて私は想像します。

可愛くなかったら、親戚の若いご夫婦に子どもがまだなのかなんて、興味が湧かないと私は思うんですよね。
自分の子どものことが可愛くて仕方ないからこそ、子どもっていいよー、子どもができると幸せだよー、っていう思いから、「ちなみにあなた達はお子さんはまだなの?」って、聞いたという可能性も考えられるのです。

言われたほうは世間体の型にはめようとして!と思ったかもしれないけれど、言ったほうは、お子さんを持ってもっと幸せになれたらいいね、という思いだったのかもしれないんですよね。

そんなお節介いらんわと思うかもしれませんし、確かにお節介かもしれません。
誰かが誰かの幸せを願うことは、ときにはお節介になってしまうかもしれません。そんなお節介を忌み嫌うのも、ちょっとめんどくさいけどまぁ有り難いか、と思うのも、どちらでもいいのです。ただ何かひとつの物事に対して、ネガティブな感情を持つか、ポジティブな感情を持つかは自分次第ともいえるので、自分はどっちの感情を感じやすい人生にしたいかな、ということなのかなと私は思っています。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
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・夫婦関係
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