親不孝?ミッドライフクライシスで母を疎ましく思う自分への処方箋

母とはずっと仲良しで、親友のような親子でした。 30代になるまで、私はそう信じて疑わなかったのです。 しかしある日、母からの着信画面を見た瞬間、心臓がギュッと締め付けられるような嫌な気分に襲われました。

子どもの頃から、母を喜ばせるのが私の喜び。母に褒められるような選択をし、母が望むような良い子でいることが、私にとっての正解でした。
母の喜びポイントが明確にわかる気がした私は、母から「あなたはいい子ね」と言われ、褒められ続けていたのです。

けれど、結婚で実家を出てから少しずつ異変を感じるようになりました。

母からの電話の着信があると、ものすごく嫌な気分になり、実家に帰るのも億劫に感じたのです。

あんなに大切にしてくれた母をうっとうしく感じるなんて、私はなんて親不孝な娘なんだろう

自分を責め、罪悪感に押しつぶされそうになっていたある日、私は気づいてしまったのです。
母が私を褒めて育ててくれたのは、実は母が気に入るような子にするための、無意識か意識的かはわからないけれど、母のコントロールだったのではないかと。

これが私のミッドライフクライシス(中年の危機)の始まりだったように思います。

目次

ミッドライフクライシスは「大人の反抗期」

ミッドライフクライシスとは、30代後半あたりから「私の人生このままでいいんだろうか」などと悩む、中年期特有の心理的危機のことをいいます。
その要因はさまざまではありますが、若い頃と比べて体力などの「衰え」を感じたり、子離れなどで「母として」「父として」という夫婦間の役割に変化があったり、職場で能力の限界などを感じる挫折体験があったりなどのストレスによって生じるともいわれています。

これまではなんの疑いもなくただ前を向いて生きてきた自分の生き方に、中年期になって「これでいいのか?」「このままで将来はだいじょうぶか?」などの違和感が爆発するのは、それまで長い間努力をして頑張ってきたという実績があるからこそなんですね。

遅い反抗期

ミッドライフクライシスを遅い反抗期と呼ぶ人もいるかもしれません。
思春期に反抗期がなかったような人が、パートナーや親、職場の上司などに不満があっても、これまでは見て見ぬ振りをしてきた自分の感情に気づいてしまい、もう我慢できない、我慢したくない、と思い、様々なことに嫌気がさしてしまうこともあるようです。

ミッドライフクライシスを乗り越えるための2つのステップ

ミッドライフクライシスを乗り越える方法を、今日は心理の観点から2つご紹介します。

自分を責めていることに「気づき」、やめる

まずは、自分を責めていることに気づいたら、責めるのをやめようと思ってみていただきたいのです。

これまで自分以外の誰かを優先して頑張ってきた人ほど、物事がうまくやれないように感じると「こんな自分は努力が足りない」とか「怠惰なんじゃないか」「もっと頑張る方法を知りたい」などと、自分にムチをあてようとするかもしれません。
でもそうやって生きてきたからこそ、今が苦しいのだと考えることもできるのですね。

これまでとは違うことをする必要があるということなのです。
中でもおすすめは、「自分を責めない」「厳しくし過ぎない」ということです。

そのために、自分が自分を責めていることにまず気づく必要があります。ここが最初のポイントです。癖のようにやっていることを気づくのは意外と難しいからなんですね。「気づこう」「気づきたい」と思っていると、気づけるようになったりするようですよ。

そして気づいたらどうするか。
「自分を責めるのはやめよう」と思ってみてほしいのです。

それだけ?と思うかもしれませんが、実際にやろうとしてみると、そんなに簡単ではないはずです。
うまくできなくても、おおらかな気持ちで、「自分を責めるのはやめよう」と声に出しておくだけでも大丈夫です。

「無害者」という新しい視座をもつ

ずっと誰かのために頑張ってきた人が、今までのやり方はうまくいかなかった、自分の人生はもっと別の道があったんじゃないかなどと感じるときに、今までの生き方をしてきたルーツにあたる相手に、猛烈に怒りを感じることがあります。たとえば非常に厳しかった親などです。

そんな怒りを抱えたままだと、これまでのやりかたを手放して自由に楽しく生きていこうと思っても、心にいつも引っ掛かりを感じてうまくいかないことがあるのですね。

そのようなとき、心理学では「無害者」という捉え方があります。「私が悪い」でも「相手が悪い」でもないという視点を取り入れることなんです。
それは、加害者も被害者もいないという見方なのです。

私の例でいえば、母のコントロールに縛られてきたと感じると、母は「加害者」で私は「被害者」かもしれません。でも、そんな母を責めれば、今度は私が「加害者」になり、母が「被害者」になります。

どちらかが悪者にならなけらばならないという土俵に立っている限り、心は出口を失ってしまいます。
そこから一歩降りて、より高い視座から眺めるのが『無害者』という考え方です。

心理学には、「私たちの言動の奥には、常に愛がある」という考え方があります。 私の母が私をコントロールしようとしたのは、母なりの「娘に幸せになってほしい」という強い願いゆえでした。母はその愛し方しか知らなかったのかもしれません。

一方で、大人になった私が、当時の母を「一生懸命に育ててくれたんだね」と心から労うことができたとき、私はようやく母の支配から卒業することができました。

誰も悪くない。誰も、誰をも傷つける意図はなかった。

そう思えたとき、ようやく「親を喜ばせる私」ではなく、「私を喜ばせる私」の人生を再構築する準備が整うのです。

ミッドライフクライシスは「私」を生き直す許可状

ミッドライフクライシスを乗り越えるための秘訣は、ミッドライフクライシスを「私」を生き直す許可状と捉えることです。

主に30代後半から50代に訪れるこの心の問題は、「もう、誰かのための人生は卒業していいですよ」という許可状のようなものです。

今までのようにはうまく生きられない。そんな罪悪感の奥にある、あなたの本当の声を聞いてみませんか? 論理的に自分のパターンを紐解きつつ、感情を丁寧に癒していくことで、ミッドライフクライシスは人生最高の「再出発」に変わると思うのですね。

よろしければ私もサポートさせていただきますから、一緒にこれまでのあなたを解き明かし、これから進むべき道を探していきましょう。

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この記事を書いた人

帆南尚美のアバター 帆南尚美 心理カウンセラー

職場の人間関係、夫婦・家族の問題を主に扱う。「解決したい問題がある時に、悪いところを探して正そうとするのではなく、自分の魅力や才能を受け取れば物事を全く別の見方で捉えることができ、自分の枠から自由になり、のびのびと楽に毎日を送れるようになる」というスタンスでカウンセリングを行っている。

<得意分野>
・30〜50代の恋愛
・パートナーシップ
・夫婦関係
・今の仕事を気分よくやりたい
・職場の苦手な人を減らしたい
・言いたいことを言えるようになりたい
・自分の良さを表現できるようになりたい
・いつも前向きな人生にしたい         など

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